旧
12話
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イ・ボウを砕いたおかげで呪いは解けているようだな。呪いという言葉にも何か引っかかりを感じる。だが、思い出せない。あとで調べる必要があるな。
「さあさあ、たった2人の軍同士の戦争を楽しもう、少人数の軍?楽しむ?」
娯楽の戦争?ああ、思い出せる。オレには王とその眷属の仲間がいた。顔と名前までは思い出せないが、女性ばかりだった。そして、王が最初からチラつく1人と合致する。
今にも眼球を貫こうとするゲイ・ジャルグごと、ディルムッドをラインで拘束して片っ端からスキルの情報を奪い取り、召喚されてからの記憶を攫う。そして、パスを辿ってマスターの位置を把握し、そこに透明なラインを送り込んで令呪と魔力を根こそぎ奪う。これで切継が死んでも強引に聖杯戦争に参加し続けられる。
「くくっ、今度はちゃんとした戦場で死ねるぞディルムッド・オディナ。今度は不義にまで達せずに散るんだ。よかったな」
ラインで魔力を根こそぎ奪いディルムッドを葬り去る。オレは、どうやって死んだんだ?あの人に後悔を残すような死に方をしてしまったのか?
「泣いているの、セイバー」
「オレはどういう死に方をしたんだろうなって。あの人を、あの人達をどれだけ悲しませることになったんだろうって。たぶん、碌に死体も残っていないはず。恐ろしいまでの不死性を持っているように見せ続けてきたから。恨みもずいぶん買っていたから徹底的に消滅させたはず」
「セイバー」
「オレは英雄なのか反英雄なのかすら分からない。それどころか、この世界の存在ですらない」
「どういうこと?」
「幾らか思い出した記憶の中に、ありえないような科学の産物が存在している。科学は未来に進む物だ。同じ世界だとしても未来から呼び出されたことになる」
「それは」
「記憶を取り戻して余計に謎が増えた。オレは一体何者なんだ」
このまま何も言わずにいれば、向こうからの接触はなかっただろう。だが、オレは求めた。さらなる記憶の鍵を。戦いの中にこそオレの求める鍵があると信じて。
「降りてこいよ、ライダー!!最初から見ていたのは知っているぞ!!他にもいるのは分かっている!!姿を見せぬもよし、ただ臆病者と判断するだけだ!!姿を見せるもよし、ただの愚か者と判断するだけだ!!」
「ほぅ、中々の啖呵だ。それだけ自分の力に自信があるのか」
「いいや、事実があるだけだ。貴様らにオレを殺すことはできない。オレの正体を正確に捉えなければ、オレを滅することは不可能!!貴様らにオレを見極めれるだけの目が有るか否や?」
「ふん、雑種の正体など興味はない。こうすれば全てが同じだ」
高魔力の反応を多数感知してアイリスフィールを影の転移でアインツベルン城に飛ばし、次の瞬間全身を多数の宝具が貫いていく。無
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