旧
11話
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「暇があればお前達も色々と教えてやれ。ただ、怒りや憎しみだけはまだ教えるな。誰も止められないぞ」
「分かっている。気をつけるさ」
「戦闘狂もまずいよな。オーフィスの前では抑えるか」
「あとは黒歌が変なことを覚えさせないように見張っておけば大丈夫か」
抜かった!!まさか身内の手引きがあったとは。それにサマエル本体ではなく毒だけで弱らせてから本体を呼び出すか。曹操達はすでにこの場から離れたか。できれば、仕留めておきたかった。近づいてくる気配、こいつは、敵か!!気力を振り絞ってエクスカリバーで近づいてきた気配を切り捨てる。悪魔で、銀髪の男?知らない男だな。くっ、意識が霞んできた。
「元士郎?ヴァーリ?一誠?どうした?なんで、動かない?」
オーフィスの不安そうな声が聞こえる。そして倒れたオレたちの体を揺する。だが、誰も動けない。
「みんな、死ぬ?曹操達が殺す?我、また一人?嫌だ、させない!!」
まずい!?オーフィスが怒りと憎しみの感情に目覚めた。このままでは、ダメなんだ!!このまま力を振るえば、それが他の者の恐怖を生み出す。あとは、悪循環が続く。ここが、オレの命の使い所だ。オレが止めなければ、会長や、セラフォルー様、生徒会のみんなが死ぬ。オーフィスがひとりぼっちになる。それだけは止める!!ヴリトラ、すまんがオレと一緒に命をかけてくれ!!
『ああ、できる限り耐えてやる。ラインの全てを破棄してドライグとアルビオンとオーフィスから毒を受け持つ準備をする。我が半身こそ、持てよ』
『耐えてやるさ。そんでもって最後まで足掻く。頼むぞ!!』
ヴリトラと打ち合わせを終わらせて命を燃やし尽くす覚悟で起き上がってオーフィスの腕を掴む。
「元士郎?」
「ああ、ちょっと意識を飛ばしただけだ。それよりもオーフィス、ヴァーリと兵藤が危ない。一度、引き上げだ。二人を集めてくれ」
「うん」
すぐにヴァーリと兵藤を抱えて戻ってくる間に気休めでフェニックスの涙をストックしてある3つを全て服用する。これで少しだけ余裕ができた。
「それからこれを持っていてくれ」
ラインの倉庫から一冊のノートを取り出してそれをオーフィスに持たせる。
「これは?」
「オレの宝物の在り処が書いてある。みんなに治療の迷惑をかけるからな。そのお礼だ。向こうに戻ったら会長にでも渡してくれ。向こうに着いたらまた寝るから」
「分かった」
すまんな、騙すような真似をして。影の転移のゲートを開いて完全に入りきった所でラインを伸ばして毒を全て抜き取る。途端に、さらに意識が遠くなるのをエクスカリバーを足に突き刺して痛みで意識をつなげる。
「があっ!?ああああああああああっ!!」
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