旧
11話
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グレイプニルで簀巻きにされ首輪とリードでソーナたちに引きずられて匙が戻ってくる。匙の奴、半分以上目が死んでるぞ。
「それ、大丈夫なのか?」
ヴァーリの奴もさすがに気遣っているな。
「受け答えは大丈夫でしたが、逃げ出そうとしたので確保しました。その後に自分で何か薬物を摂取して感覚を鈍らせたみたいですね」
「そんな薬を常備してやがるのかよ」
「常備しといて損はないので」
簀巻きにされた状態にもかかわらず器用に立ち上がる匙。死んでいた目がある程度戻ってきている。
「とりあえず、彼女がオーフィスで間違いないですか?」
「ん、我、オーフィス。ヴリトラ、お前、どうやって強くなった?」
「それを知ってどうするんですか?」
「我、強くなる。そして次元の狭間からグレートレッド追い出す。我、次元の狭間で永遠の静寂を得る」
「グレートレッド?」
「オーフィスよりも強いドラゴンだと認識すればいい。オレの目標の一つでもある」
「もう少し詳しい説明を頼む」
ヴァーリがさらに追加の情報を伝え、オレも少しだけ追加する。これを聞いてこいつはどんな回答を出す?
「ふむ、ヴァーリ、オーフィス。お前たち、惑わされてるな」
「ん?」
惑わされているとはまた気になる言葉だな。
「直接観察したわけではないから確証はないが、グレートレッドに実体はない。おそらくだが、意思の集合体がドラゴンを形取った物だろうな」
「なんだと!?」
「わかりやすく言えばオーフィスの力はこの世界最強だ。世界が許容できる限界だと言ってもいい。それを上回る?しかもダメージが与えられない?その時点で奴はオレ達とは別の理に存在する者だ。ある意味でチートだな。こちらからの干渉は難しいが、向こうからの干渉は容易い。いや、待てよ。ということは何かしらのラインが繋がっていると見るべきか。オレたちに共通する何かを通じてグレートレッドとラインが繋がっていると見るべきか。要研究といったところだろうな。そのラインから逆に利用する、もしくはラインを断てば多少の差は埋められるか?あるいは意思集合体であることを利用して呪詛で滅するか」
「ヴリトラ、グレートレッドに勝てる?」
「実際に見て研究する必要があるが、オーフィスを相手にするよりは楽だろうな。同じ土俵に立てば負ける気はしない。まあ、オーフィスには無理だろうがな」
「我、勝てない?」
「そうだな。今のままじゃあ絶対に無理だ。もっと変わらないとな」
「変わる?強くなるとは違う?」
「さあ、どうだろうな?弱くなるかもしれないし、強くなるかもしれないし、変になるかもしれない?」
「ん?ヴリトラの言うこと、難しい」
「ああ、難しいことだ。答えなん
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