旧
10話
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るからあれぐらいはできるだろうから。それよりなんでその悪手ばかりを選ぶかなぁ。プライドを捨てる場所をちゃんと判別できるようにしておけばよかった」
殴り負けるサイラオーグさんを見ながらため息をつく。それをセラフォルー様は苦笑しながら慰めてくれる。
「ああいうのが悪魔の大半を占めるの。悪魔の種族的特性といっても過言じゃないんだよ」
「オレ、絶対に眷属は全部転生悪魔で揃えて隠密集団を作るんだい」
「はいはい、いじけないの」
はぁ、これ以上子供扱いされるのはあれなので最後にもう一度ため息をついてから切り替える。
「それで上級への昇格の件と伺ったのですが?」
「切り替え早いねぇ〜。そうだよ、赤龍帝ちゃんたちやソーナちゃんの眷属のみんなもそこそこ功績を積んだから中級に昇格するんだけど、それに合わせて上級に上げちゃおうって。英雄派の件でやりすぎだから」
「流れに乗って最善を尽くしたつもりなんですけどね」
「最善を尽くしすぎなんだって気づいて言ってるよね。明らかに挑発も含んで。敵になりそうなのを炙り出したいのは分かるんだけど、やりすぎはダメだよ。思わぬ所で足を取られるよ」
「自分なりに自分を殺せる物を考えてるんですが、正直に言えば脅威になるのは少ないんですよ。まずは、説明するまでもないグレートレッドにオーフィス。超越者の三人、そして龍殺しのサマエル。龍殺しの武器は担い手次第といった所ですね。あとは頭を吹き飛ばされた時ですね」
「よかった、頭を吹き飛ばされても再生するとか言われなくて」
「さすがに頭を吹き飛ばされるとどうすることもできませんよ。日にちは中級試験と同じでしょうか?」
「そうだよ。まあ、爵位とか領地に関しては卒業するまで待たせることもできるからそこは安心していいよ」
「ありがとうございます」
「あっ、そういえばさっきの腑抜けた姿ってどういう意味?」
「ああ、あれですか。先日、サイラオーグさんの母親の治療を行いましてね。それがモチベーションアップに繋がるかと思えば、あの有様です。魔王を目指すのは母親との約束と聞いていたものですから、意識を取り戻した母親と語ればさらに夢への道を固めると思ったんですがねぇ。いやはや、分かっていたとは言え、心というものは難しいですね」
「元ちゃん現在進行形でひね曲がってるしね」
「……そんなにひね曲がってますか?」
「自覚なかったの?」
「いえ、ひね曲がってるのは自覚してますが、進行形というのが」
「まっすぐになろうとして余計に絡まってる感じだけど」
「……否定できないんですよね?」
「そう返す時点で無理だね」
別の意味でまた落ち込みながら帰宅の準備を始める。
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