旧
10話
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負が決まりましたが、逆の結果になっていてもおかしくない行動です。私にも匙先輩の技術があったとしても初手で使おうだなんて考えられません」
グレモリー先輩達がそんな話をしているのを聞きながらサイラオーグさんに気付けを施す。
「……オレは負けたのか」
「ええ。完全に意識を失っておられたので」
「あれは、なんという技なのだ?」
「飛びつき三角締め。本来なら組み伏せながら行う三角締めをいきなり行う強引な技です。純粋な格闘戦じゃあ、知らなければ外すこともできないでしょう」
「そうだな。あのような技もあるとは」
「筋力なんかは別にして純粋な技術では人間が一番です。2戦目に移りますが大丈夫ですか?」
「ああ、問題ないはずだ」
「では、始めましょう」
サイラオーグさんからできる限り離れてから会長に開始の合図を頼む。
「会長、合図をお願いします」
「行きます、始め!!」
開始の合図として魔力弾が打ち上げられると同時に影の中からとっておきを取り出す。
「なっ!?」
取り出したのは特注で作らせたモンスターバイク、人間ではまともに乗る事が出来ない代物だ。巡行時速500km、最大時速700km、最大時速までの時間はわずか4秒、拡張パーツのロケットエンジン搭載で瞬間的に時速1200kmを誇る怪物だ。素早く跨り、エンジンを始動させる。
「匙!!そんなのありなのかよ!?」
兵藤がそう叫んでくる。サイラオーグさんも再び唖然としている。
「馬の使い魔が認められてるんだ!!鉄の馬を使って何が悪い!!免許もちゃんと取ってるぞ!!こいつは法律に引っかかるがな!!」
エンジンの音にかき消されないように大声で叫び返す。それと同時にサイラオーグさんに向かってバイクを走らせると同時に大鎌を取り出して、ラインでバイクを運転する。
「冥府から取り寄せた死神の鎌の試し切りだ!!」
「なんだと!?」
死神の鎌という言葉に驚いて迎撃の構えをとっていたサイラオーグさんが転がって躱す。それでも髪の毛の数本を切ることができた。だが、それでは意味が無い。ふむ、ならば次の手だ。ターンしてもう一度突っ込み、ロケットエンジンを点火させて更に加速して先程と同じように切ると見せかけて鎌を投げる。
「くそっ!?」
「固定概念を持ったままだと命が無いですよ!!」
投げた鎌を再び転がって躱すサイラオーグさんだが、鎌には透明なラインをつなげてある。そのラインを操作して追撃しながらバイクで撥ねるコースに突っ込む。ふはははは、取れる手は少ないがどうする?
「オレは負けない!!」
少ない手の中でサイラオーグさんが取ったのは一番の悪手。バイクを停める姿勢に入った。だめだ、それじゃあオレを相手に
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