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9話
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室に運ばれて検査を受ける。
「なんで生きてるかなぁ、急所を黄昏の聖槍に貫かれてるのにな」
「破損した臓器にラインが絡まってるのが原因ッスね。まるで破損していないかのように動いてるッス。これ、理論上頭を吹き飛ばされない限り生きれるってことッスよね」
「理論上はな。まあ、目の前に半分以上死んでてもおかしくない奴が生きてるから実際に生きれるっぽいがな。こいつ、どんどん生物を辞めていってるよな」
「アザゼル様、めちゃくちゃ不満そうに睨んできてるんッスけど」
「事実だから無視しろ」
確かに事実だが、むかつくな。
「とりあえず、聖なる力の除去を優先で調整しておいてやったから3日もあれば十分だろう。傷の方は自分で治せるんだろう?」
アザゼル先生の問いに首を縦にふる。というか、そろそろレオナルドを出してやりたいんだけどな。いきなり出すとまた何か言われそうだし。とりあえず念話で許可を取るか。
『アザゼル先生』
「なんだ?」
『レオナルド、保護した英雄派の子供をそろそろ出してもいいですか?』
「出す?」
『とりあえず寝かせて影の中に入ってもらってるんですよ』
「なら、とりあえず出せ。眠ってるんだろう?」
『はい。それじゃあ、アザゼル先生の影から出しますんで、引っ張りあげてください』
魔力で影をつないでゆっくりとレオナルドを押し出す。
「こいつか。よっと、ミッテルト、診察を始めるぞ」
「了解ッス」
しばらく色々と検査をしているのを眺めているとアザゼル先生から確認を取られる。
「何で眠らせたんだ?」
『妖精の嗅ぎ藥です』
「どっから仕入れた?作ったとか言うなよ」
『御用商人からですが、どうかしましたか?』
「いや、純度が高い奴を使ってるせいかぐっすりにも程があるからな。普通だと起きないからついでに精密検査でもしようかなって。ミッテルト、そういうわけだからこのまま一番近い支部に搬送するぞ。通常の検査以外に魔術的な跡がないかもだ」
「とりあえずは洗脳系を優先ッスね。それからリミッターとかもッスか?」
「精神安定に必要な分以外は解除しろ。頭脳系の英雄だから肉体的にはちょっと丈夫なぐらいだから拘束はしなくてもいいが、最低でも部屋に上級を二人護衛兼監視をつけろ。匙が回復するまでは寝かせておくのが一番だ」
「了解ッス」
ミッテルトさんと一緒に転移するレオナルドを見送り、アザゼル先生にレオナルドの検査結果を聞く。
「まだレントゲンとかを撮ってないから確実とは言えないが、日頃から骨を折られてたんだろうな。触った感覚だが変な形で癒着してるっぽいな。精神鑑定とかもした方がよさそうだ。もしかしたら対人恐怖症なんかもありそうだ」
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