旧
8話
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押すッスよ。お互いの命がかかってるッスから。それから意識の方はかなり朦朧としてるッスけど呼びかければ反応はあるッス。まあ、体力を消耗さ せることになるッスからあまり呼びかけない方がいいッス。あと、ものすごく弱いというか脆いッス。ヘタな赤ん坊以下ッスから、優しく丁寧に扱って欲しいッス。見てるこっちが辛いッス」
「そんなに酷いのですか?」
「あ〜、ちょっとだけ待ってくださいッス」
器用に結界の一部に穴を開けてからドアをノックして声をかける。
「レヴィアタン様、ミッテルトですけど、ソーナ様達が来られたんッスけど、先に見せておいた方が動揺が少なくて済むと思うんッスけど、今大丈夫ですか?」
「そうだね。ちょっとだけ待って。結界を私たちの周りに張るから。いいよ、入って」
会長がドアを開けて部屋に一歩踏み入り、そして立ち止まってしまった。空いている隙間から中を覗いてみると会長が立ち止まってしまった理由がわかる。レヴィアタン様が抱いている元士郎先輩の姿を見て、話で聴くよりも生々しい惨状に言葉を失ってしまう。荒い呼吸と呻き声と流れる汗だけが生きているという証なだけで、それがなければ人形のように生気を感じない。
「これで大分マシになったんだって。リアスちゃん達がそう言ってた。本当はたぶん、一本のラインで大量に吸い上げるってことはできるんだと思う。ただ、迷惑をかけたくないってだけで吸い上げてないんだろうね。少し位多めに吸い上げてもいいよって言ってもやらないんだから。あっ、それと近くにいて幾つか分かったことがあるから。喋ることもほとんどしていないからかちゃんとした発声が出来ないみたいなの。だから何か聞くときは首を多少動かすことで返事ができるものにしてあげてね」
「声まで出せないのですか!?」
「たぶん、あれだね。うるさいとか言って暴力を振るってたんだと思うよ。だから喋らなくなって、喋れなくなったんだと思う」
レヴィアタン様の言葉に元士郎先輩がわずかに首を縦にふる。
「意識を失うと黒い龍脈をコントロールできなくなるからって眠ることもできないの。あと、蓄えてる力が大きくて器が壊れそうってアザゼルちゃんは判断してたけど、それとは別の要因もあるの。エクスカリバーとアロンダイトが原因なんだけど、力を弱めると元ちゃんの体が弱くなって苦しんで、力を強めると悪魔の部分が聖なる力に焼かれて苦しむの。だから、そのバランスが取れる場所をちょっとずつ探してるみたいで苦しみに波があるの。安定する加減が分かればもう少し楽になるはずだよ。あとは、そろそろ出てもらった方がいいかな。ラインが勝手に伸びようとしているのを抑え込んでるみたいだから」
「そうみたいッスね。それじゃあ、レヴィアタン様以外は隣の部屋にどうぞッス。ウチは扉の前にいるッスから
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