旧
8話
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で自分の服と鞄を物色しているからな。まあ、少し離れたところでこちらを伺っている生徒会の皆の肩を軽く叩いてから本体であるオレの方からも手を振るおまけ付きだ。
「どうかしたんですか、先輩?」
「いや、少しヴリトラとな。それよりももういいのか?」
「はい。次は先輩のを見に行きましょう」
「下見済みだからすぐに終わるぞ。そのあとはどうする?」
「そうですねぇ〜、混雑するでしょうし先にご飯にしましょう。これからすぐなら空いているはずですし」
「ならそうするか」
手早くオレの買い物を終わらせて荷物をロッカーに預けてからファミレスに向かう。適当にランチメニューを頼む。ほとんど外食などしたことがなかったのだが、味と値段に多少首を傾げながらも留流子には気づかせずに同じタイミングで食べ終える。それを見計らったようにウェイトレスがパフェを持ってくる。
「注文した覚えがないんだが」
「ただいまキャンペーンをやってまして、カップルで来られた方にサービスでお出ししています」
めちゃくちゃ怪しい。そういうキャンペーンをやっている張り紙などは一切見ていない。何を企んでいるのか、少し見させてもらおう。ラインをつなげて軽く記憶をさらってみる。ああ、なるほど。
「そうか、ありがとう」
スプーンで一口掬って口にする。ふむ、まあこんなものか。
「いえ、それじゃあ彼氏さんが食べさせてあげてください」
留流子とウェイトレスがにやにやしているが何故にやにやしているのか分からん。
「ほれ、留流子」
とりあえず疑問は横に置いておいて、持っていたスプーンでパフェを掬って留流子の口元に持っていってやる。
「うええぇっ!?」
「うん?何を驚いているんだ?」
「何のためらいも否定もなしで言われた通りにするなんて、場馴れる感じもしないし、まさかの天然?」
小声でそんなことが聞こえたが意味がわからない。
「いらないのか?」
「いえ!?いります!!食べさせてください!!」
叫ぶだろうと感じた瞬間に静音結界を張って誤魔化す。すぐに結界を解いて、戻していたスプーンをもう一度留流子の方に差し出す。留流子は少しだけ逡巡してからパフェを食べる。
二人でパフェを片付けて支払いに行く際に鍵を落とした振りをして留流子を先に行かせ、パフェを持ってきていたウェイトレスがちょうどオレたちの席を片付けていた。
「すまんな、留流子が迷惑をかけた」
「ありゃ、気付いてた?」
「あからさまに怪しい話だったからな。パフェの分だ」
あらかじめ折りたたんでおいた紙幣を周りに見えないように渡そうとするが押し返される。
「ああ、いいよいいよ。留流子に先払いでもらってるから」
「しかしだ
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