旧
8話
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様が取り出したレーティングゲームの雑誌に表紙のメインを飾っているフードを被ってゴーグルとマフラーで顔を隠した元士郎先輩が写っていた。特集ページでは駒王の制服姿、私服姿、禁手姿にスコルとハティと一緒に写っているのも載っている。
「そうそう、中級への推薦も昨日一定数揃ったからちょっとした面接で中級に上がれるのも伝えないとね」
「中級への推薦が通ったのですか?ここ300年程、推薦が通ることはなかったはずですが」
「実績は十分あるし、実力も問題無し、思想も普通、推薦者は多いし、反対者はいつの間にか失脚するばかりで楽だったよ。これが上級ならもっと揉めた可能性があるんだけどね」
明らかに裏で誰かが動いている。誰かというか元士郎先輩が。痕跡を全く残さない影から陰へと渡る力で。
「異例の早さですね。転生してまだ3ヶ月も立っていないのに」
「珍しいけど、居ないこともないよ。確か最短記録は36日だったはずだし」
「......悪魔の駒が開発されてから今までの間で一番実績を積める機会を得られているのは私たちだと聞いたのですが、どうやったのか興味があるのですが」
「何代前か忘れたけど暴走した白龍皇を倒して中級に上がったんだけどねぇ、それが気に食わない老害に裏で殺されたみたい。無論、それが発覚して当主とその子供と下手人は処刑。孫がいたから家自体は潰れてないよ。潰せって意見もあったけど、只でさえ少なくなった上級の家を潰すのも問題になるからってことで監視を常につけている状態。彼が生きてたらもうちょっと戦力的に楽だったんだけどねぇ。今は元ちゃんに期待が集まってるから」
「匙にですか?」
「実績・実力ともに上級並み、生存能力が高い、脳筋じゃない、潜入工作も可能、誠実、敵と見なせば味方でも問題ない程度に処理できる、汚れ仕事の意味を理解している。こんな人材滅多に居ない、というか絶滅危惧種なんだよ。特に脳筋じゃないのと潜入工作ができるのが!!堕天使にしか居ないんだよ、それができるの。しかも下級とそっち方面で評価されて階級の上がった中級しか」
「そこまでですか?」
「大戦期にはもう少し居たんだけどねぇ。当時は力こそパワーとか言うような脳筋一色に染まってたから、工作の類は評価対象外にされてて、潜入専門なのに前線に立たされたりしていてほとんどすり潰されちゃった。おかげで私たちがどれほど苦労したことか」
「「「うわぁ〜」」」
レヴィアタン様が遠い目をしながら語ってくれる。
「ああ、ちゃんとあの部隊が残ってたら新旧魔王派の内乱なんて起こってなかったのに。大戦のおかげで技巧派がマイノリティーになったのが最近の元ちゃんの活躍で少しずつ勢力を取り戻してきてるんだよ。全面的に押し出して技巧派を増やさないとテロに対処しきれないし
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