旧
8話
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れませんか?」
「ふむ、そういえば修学旅行の準備をしていなかったからちょうど良いか。いいぞ、付き合ってやる」
「そ、それじゃあ、駅前に9時半集合で大丈夫ですか?」
「駅前に9時半な。分かった」
「楽しみにしてますね!!」
そう言って留流子は駆け出していった。ほとんど聞き取れなかったが「やった」とも言っていたみたいだ。何が嬉しいんだ?そして若干ピリピリする複数の視線が突き刺さっている。
土曜日、約束の時間の30分前に誰も見られていないのを確認してから影から這い出る。オレが潜れるだけの影があれば何処へでも察知されずに移動できる便利な転移だ。倉庫にもなるしな。しかし、早くに来すぎたな。やることなど資格と検定の勉強しかないぞ。とりあえずネイルアーティストの資格でいいか。なんか、美容関係専門の悪魔になってる気がするけど気にしない方向で。既に手遅れな気もするけど気にしない方向で。
「お、遅れてすみません!!」
留流子が走り寄ってきたのを見て腕時計に目をやると約束の時間を10分程過ぎていた。
「気にするな。時間はまだまだあるからな」
慌てて頭を下げている留流子の頭を子供をあやすように叩いて落ち着かせる。
「それじゃあ行くか」
「はい」
留流子と一緒に向かったのはレーティングゲームの会場となったショッピングモールだ。三度目ともなると何処に何があるのかは手に取るように分かる。
「それで、何を買いに来たんだ?」
「秋物の服を見に来たかったんです。元士郎先輩は?」
「オレも服と、あとは修学旅行に持っていく鞄だな。最近はどうも魔法陣に入れることが多くてな。何かを持っていくときもトランクに仕舞っておかないとまずいようなものだからな。まともな鞄がないんだよ」
便利すぎるのも考えものだなと困った風にみせる。
「あはは、元士郎先輩にしては珍しいミスですね。いつも万全の整えをしているみたいなのに」
「何、オレだって機械じゃないんだ。ミスはあるし、不調も起こす。だからこそ人生は面白い。いや、悪魔生か?」
そんな他愛もない会話をしながら先に留流子の服を見に行くことにした。
「う〜ん、先輩、どっちの方が」
「単品だけで見るなら左、さっきのスカートと合わせるなら右だ。ただ、右のはさっきのスカートと似た感じのものにしか合いそうにないぞ」
「ですよね〜。とりあえず保留にしておきます」
「服装はトータルバランスを考える必要があ るからな。悩め悩め」
女性の買い物は長いと聞くが、こだわりがあるならとことんまでこだわれというのがオレの持論だ。留流子にも何らかのこだわりがあるようなのでそれに付き合う。こうしている間にも分身体
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