旧
5話
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ってしまったオレには妹の命で生きていると言う事実が残された。これが産まれたばかりの妹ではなく、優しい母だったなら祝福とも取れた。だが、産まれたばかりの妹であった為にオレには呪いだけしか残されなかった。オレの命は妹の命だ。だからオレは妹の代わりに生きなければならない。すぐに転生悪魔にならなかったのもオレという命を一度終わらせるため。それを終えた今、オレは主である会長のためと、妹のためにしか生きてはいけないのに」
なのに、主従関係と関係なくオレ自身が会長の夢を手伝いたいと思ってしまった。
「オレは会長の眷属に」
相応しくないと続けようとした所をセラフォルー様からの平手で妨げられる。
「事情は分かったわ。その上で言わせてもらうけど、複雑に考え過ぎ!!悪魔に転生したんだから、もっと欲望に忠実になれば良いの」
「しかし、オレは死んで」
「悪魔の駒で蘇った。死んだなんて言わせないし、屁理屈も言わせないよ」
そう言ってオレの胸に何かを押し付けてきた。会長が驚いていたが、すぐにオレも驚きで唖然としてしまった。オレに押し付けられたもの、それは悪魔の駒だった。それもセラフォルー様のだ。
「ソーナちゃんの駒で蘇った命が妹さんのだって言うのなら、貴方自身の命もこれで蘇った。それで、最初の命令だけど貴方は貴方らしく生きなさい。妹さんの事で悩んだり、自分を恨んだりする事もあるだろうけど、それでも自分の為に生きなさい」
「そんなのは無理だ」
「無理じゃない。それは貴方自身が証明している」
「オレ自身が?」
「貴方が困っている人を助けていたのは何故?保護してくれた猟師の人達と交流があるのは何故?それらに妹さんは関係ある?」
「それ、は」
「貴方が貴方として生きていた証だよ。逃げ道が無いなんて思わないで。誰にでも逃げ道はあるの。だけど、それを選ばない事が力になるんだよ」
「オレは、オレとして」
「生きなきゃ駄目。自分でどうする事も出来ないのなら、縛って手綱をとってあげる。それが主の義務だよ」
滅茶苦茶な理論だった。逃げ道を作っておけとか、悩んだり恨んだりしろって。真逆のことを言われているのに。オレはその言葉で救われた気がした。救われてはいけないはずなのに。
泣いているあの子を一人にしてソーナちゃんのお部屋で姉妹水入らずのお話なんて何時ぶりだろう?お姉ちゃん、テンション上がって来たよー☆
「ソーナちゃん、あの子をちゃんと見ていてあげてね」
「申し訳ありませんでした。お姉様のとっていた変異の駒を使わせてしまって」
「いいのいいの♪前から個人的に興味は持ってたし、十分私の眷属としても活躍出来るだけの技量もあるしね?」
実際、並の上級悪魔よりも信用して仕事を
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