旧
3話
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「匙、ちょうど良い所に。手伝って欲しい事があるんだ」
「どうした、兵藤。見ての通りオレはお前達の開けた穴の修理に忙しいんだが」
速乾性のセメントで隠しカメラが仕掛けてあった穴を塞ぎながら答える。
「ちょっと話が長くなるんだけどさ」
「なら、ちょっと付いて来い。生徒会の仕事を終わらせないと手伝えないからな。説明だけ先にしろ」
道具を担ぎ、移動して人の目がない所ではラインを使って仕事をしながら報告書を作成しながら兵藤の説明を聞く。何でも、教会から聖剣エクスカリバーが3本盗まれてこの駒王に持ち込まれたそうだ。それの奪還の為に教会から聖剣エクスカリバーを持った二人がやってきたのだが、木場の奴がエクスカリバーを見て暴走。
何でも木場は悪魔に転生する前は教会で人体実験に使われていたそうだ。実験内容は人工的にエクスカリバーの担い手を作ると言う物で、最終的には実験は凍結、被験者は処分され、木場はそれの生き残りだそうだ。
そんな過去もあってか、木場は担い手の二人に襲いかかって見事に返り討ちになってそのまま行方知れずとなってしまったそうだ。
「それで、何を手伝えと?」
「とりあえず教会から送られてきた二人と協力体制を整えて、それから木場を探そうかと思ってるんだけど」
「残念だが手伝えそうにないな。それに木場の奴の復讐は見当違いにも程があるからな、手伝わない」
「復讐が見当違い?」
「それが分からないのなら、あいつはいつまで経っても今回の様な暴走を起こすんだろうな。兵藤、もしお前が木場の立場だったら、お前の怒りは何処に向くんだろうな?ヒントは木場が剣士だと言う事、事件当時は人間で教会に属した者であったと言う事だ。純粋な悪魔じゃなく、最近まで人間で、男であるお前だからこそ分かる物がある」
道具を倉庫に戻しながら兵藤と別れて生徒会室に向かう。今の話を会長にも報告しておかないといけないからな。
オレはこの事件に関わるつもりはなかった。つまりはなかったんだが、どうして巻き込まれるかねぇ。生徒会の仕事も終えて深夜の土方のバイトを終えて帰宅中に行き倒れになっている教会関係者を見つけてしまった。しかも封印を施した剣らしき物を所有している。兵藤の話にあったエクスカリバーとその担い手で間違いない。気になるのは横においている布に覆われた何かだが、今は横に置いておこう。
「なんで厄介事が向こうからやってくるかね?呪われてるのか」
春先の件から余計にそう感じる。いや、あの男と女の間に生まれた時から呪われてるか。とりあえず声をかける事にする。
「こんな時間に何をしている」
「むっ、何者だ」
「通りすがりの悪魔の協力者だ。報告に上がっていた教会からの派遣者だな?もう一度聞くが
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