美保鎮守府NOW-Side B- PART10
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なるかは解らんが、お前さん達を鍛えてくれるように美保提督に頼まれた。宜しくな」
ポカーンとした顔の艦娘達の中、何人かは金城提督を睨み付けている。この四十を半ばにした中年の男に、私達が今更何を教わる事があるのか……そんな表情だ。
「今更貴方に教わる事は無いと思いますが?」
挙手してそう言い放ったのは、霞だった。上官に対して敬語を使っているのはまぁ合格点。しかしその表情は不満ありありで、ウチの訓練前の霞を思い出して少し懐かしくなる。
「大体、何故軍装ではないんですか?それにその格好で訓練だなんて私達を馬鹿にしているとしか思えません」
「ふむ、成る程な。まぁその発言にゃあ筋道が立ってる……俺の服装の理由は2つ」
ビシッ!とVサインをしてみせる。
「1つは、さっき言った通り俺はとある厄介事に巻き込まれて現在無職。パンピーなワケだ。そんな俺が軍装に袖を通す訳にゃあいかねぇ……それともう1つは」
チョイチョイと霞に手招きする。何の疑いもなく近寄って来る霞の手首を瞬間的に掴み、そのまま引き寄せて足払いを仕掛ける。ズデンと地面に転がされた霞の顔面目掛けて下段突きを放つ……勿論、鼻先で寸止めにしたけどな。
「こんなふざけた格好でも、お前さん達には負ける気がしないからだ」
顔面の前でピタリと止まる拳を見て、青褪める霞。
「跳ねっ返り?反抗?文句?大いに結構。俺は見た目や口の悪さで人を評価しねぇよ。ただ、叩いた大口に見合うだけの成果を見せれば、な。さぁ〜て、まずは軽ぅ〜く5kmのランニングにしようか?ただし、俺に追い付かれたらどうなるかは保証しねぇ」
途端に青くなる美保の艦娘達。
「位置について……用意!」
俺が叫んだのを合図に、バタバタとトラックに出てくる艦娘達。
「ドン!」
一斉に走り出す艦娘達。さてと、軽く身体をほぐしたら、楽しい楽しい追いかけっこ(ウォーミングアップ)の時間だ。ミッチリ鍛えてやるから覚悟しろ。
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