美保鎮守府NOW-Side B- PART10
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に達するか、という指標
テトロドトキシン……フグ毒として有名。最近だと九州の近海等でテトロドトキシンを持つヒョウモンダコが見つかり、話題となった。何と言ってもその特徴は解毒剤が存在しない事。更に致死量も0.02mg/kgという猛毒。呼吸困難に繋がる麻痺や痙攣を引き起こし、酸欠を引き起こして死に至る。今の所、人工呼吸等による延命措置で毒物を体内で分解してくれるのを待つ位しか治療法がない。
バトラコトキシン……ヤドクガエル科のカエルが持つ毒物。その名の通り、毒矢に使われる程強力な毒物を有する。致死量は0.005mg/kgと、テトロドトキシンよりも更に強力。神経毒だけでなく、心臓に直接影響を及ぼす心毒性をも併せ持つ。
「テトロドトキシンを使われると打つ手が無いけど……他の毒物なら解毒剤は何とかするよ」
「まぁ、油断しなけりゃ刺される前に取り押さえられんだろ。念の為に準備しておく保険だが、準備だけは頼むぜ?」
軽く言ってのける提督に、神妙な顔で頷く川内。一般的には死亡フラグとも取れる発言なのだが、何だかんだ何とかしてしまいそうな頼りがいがあるせいであまり深刻に捉えられないのだ。その油断が命取りになりかねないので、川内は改めて気を引き締める。まぁ、結果的にこの用心が提督の命を救う事になるのだが。
『それで、待っている間提督はどうされるのです?退屈で仕方ないでしょうに』
「退屈ぅ?まさか。目の前にオモチャが沢山居るじゃねぇの」
大淀からの問いに不敵な笑みを浮かべている提督。
「まさか……」
「おうよ。ただ居るだけじゃあ俺も鈍っちまうしな。美保の連中を鍛えて遊ぶ事にするわ」
『やっぱりか……』と金剛を含めて皆が心の中で溜め息を吐き、心の中でそっと美保の艦娘達に合掌する。その数時間後、ブルネイからやって来た二式大艇によって金剛を達は美保鎮守府を発った。
その日の午後の事である。美保鎮守府の艦娘達(どうしても外せない任務の娘を除いて)全員が鎮守府裏手の運動場に集められた。艦娘達の目の前には金城提督が腕組みをして仁王立ちしている。だが、それよりも珍妙なのはその服装である。普通の提督が着ている白い軍装ではなく、白いランニングに青地に白いハイビスカスの染め抜きのアロハ、七分丈のカーゴパンツにサングラス。そして足下は雪駄。どう見ても提督というよりも縁日にいるチンピラである。
「こんな格好してるが、ブルネイ鎮守府提督の金城だ……おっと、今は“元”提督か」
その言葉にざわつく艦娘達。ざわざわとうるさいのを、パァン!と柏手を鳴らして黙らせる提督。
「ちょいとばかし問題が起きてな。しばらくここに厄介になる事になった……だが、タダ飯喰らうってのも都合が悪いんでな。何日いる事に
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