美保鎮守府NOW-Side B- PART10
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「ちょっと俺達だけで打ち合わせをしたいんだが……」
美保提督にそう告げると、彼は快く執務室を貸し出してくれた。念の為にクリーニングを行い、青葉がPCを起動する。
『提督、そちらは大丈夫ですか?』
「あぁ、何とかな。大淀、そっちはマニュアル通りに動いてるか?」
『えぇ、電話の相手に驚きましたけど……』
「そうか、ならいい」
手短に交わした会話。金剛をはじめとする視察メンバーには何のこっちゃ?な会話だったが提督と大淀にだけ伝わる内容だったのだろうと無理矢理納得して、打ち合わせを続ける。
「さ〜て、と。皆解ってるたぁ思うが……」
「暗殺者はあの加賀、だよね」
「だろうなぁ。あんな絶妙のタイミングで、それも辞令が後から来るなんて臭すぎる」
大淀にも提督が刺客に狙われている事は話してあり、提督自身を餌にしてその身柄を抑える作戦であるという事も。
『では、作戦とおり?』
「あぁ……そっちから迎えの二式大艇を寄越してくれ。金剛、青葉、川内はそれに搭乗。一旦美保を離れる」
護衛と提督を引き剥がす事で刺客を油断させ、アクションを起こさせる為だ。
「ブルネイに向かうと見せかけ、近くの港湾に着水。そこから美保鎮守府に帰還して潜伏。加賀に動きが見られたら俺の側でいつでも飛び出せるように待機だ」
「敵の武器は何でしょう?銃ですかね」
青葉は提督を単独で狙う加賀の暗殺方法に、疑問を呈していた。1対1の対人戦ならば艦娘ですら圧倒しかねない提督をどうやって害するつもりなのか。
「銃は確かに強力だ。だが、接近戦においてはナイフの方が圧倒的に早い」
銃は抜いて、狙いを付け、引き金を弾くという3アクションを必要とする。それに対してナイフならば居合い抜きの要領で抜くと同時に斬りつける事が可能な為に1アクションで済む。その事から考えてもナイフのような小刀が現実的だろう。
「でも……ナイフだけじゃdarlingはやられないと思うヨ?」
「確かに。……となると、毒物を刃に塗って使って来るかも」
「毒か……有り得るな」
即効性の毒ならば神経毒か、筋弛緩系の毒物が挙げられる。特に神経毒は生物由来の物もあり、その致死量は極めて少ない。有名な物としては
・ニコチン
・テトロドトキシン
・バトラコトキシン
等が挙げられる。
ニコチン……言わずと知れた煙草の葉に含まれる成分。精神を毒する事は無いが、即効性で強い神経毒性を持つ。ニコチンを血中に過剰投与すると身体の痙攣や嘔吐を引き起こし、最悪の場合死に至る。その致死量は0.5〜1mg/kgと青酸カリの数倍の毒性を誇る。
※mg/kgとは、生物1kgに対して何mgの毒物で致死量
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