な・・・ない・・・
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ラウルがその場に留まっていた俺に直撃する。それを見ていたショートヘアの女性は盛大に笑い転げていた。
「アハハハハッ!!やっぱり子供ね!!全然大したことないわ!!」
「むむむむ・・・」
一通り笑い終えて満足したのか、涙を拭いながら立ち上がっている俺たちを見据えるショートヘアの女性。その際俺らの顔を見て再び笑い出しそうになっているのがなんとも腹立だしい。
「エミちゃん!!真面目にやってよ!!」
「ごめんごめん」
そんな彼女の姿を見てサクラに変化している方の女性が文句を言う。そちらに視線を向けると、そこにはサクラの手首を掴んで今にも投げようとしているサクラの姿があった。
(あれ?でもあれって・・・)
しかしそれを見て一つの疑問が頭を過る。彼女は自身が動くことで変身したサクラを操っていたけど、あれじゃあ無闇に動けないんじゃないのかな?
「さて、動かないでね、サクラちゃん」
「うぅ・・・」
だがその考えは甘かったようだ。自分と同じ姿をした人物にそう言われた彼女は体が金縛りにあったように動けなくなる。それを確認してから、偽サクラは彼女の足を払い地面に叩き付けられる。
「ラウル!!サクラの援護してきて!!」
「任せて!!」
今のままではサクラがやられてしまうだけ。なので、一度ラウルに彼女と一緒に戦っておいてもらうことにしよう。これならサクラが操られてしまっていても、ラウルが敵を攻めることができるだろうし。
「あら?いいの?お仲間さんを向こうに行かせちゃって」
それを見てさっきから笑いっぱなしの女性が、一人になった俺のことをムカツク笑みを浮かべながら見つめる。
「ご心配なく。俺、結構強いですから」
「へぇ」
ぶっちゃけこの中で一番強いのは間違いなく俺だろう。だったら頼れる先輩として、このくらいの相手には軽く勝ってみせないとな。
「その判断、すぐに間違いだと思い知らされるんだろうなぁ」
ニヤニヤとずっと不敵な笑みを浮かべていてさらにイライラが募ってくる。むしろその余裕を粉砕してやりたくなってきた。
「水竜の鉄拳!!」
水を纏わせた拳で襲い掛かる。それに対し彼女は体を軽く反らしただけであっさりと回避する。
「よっ」
「うわっ!!」
交わされたためすぐに切り返して攻撃しようと考えていたが、彼女の脇を通りすぎようとした際に足をかけられ顔から地面へダイブする。
「ふふっ。チョロすぎておもしろい」
「くっそぉ・・・」
擦ってしまった鼻を押さえながら、懸命に笑いを堪えているエミと呼ばれた人物を見やる。さっきから好き勝手やられているから、腹が立ってしょうがないぞ。
「喰らえ!!」
一方向こうではラウルが偽物だと思われる方のサクラ目掛け
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