な・・・ない・・・
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かし、脇腹から大量出血しているため、力が入らずやりきれない。
「火炎造形・・・」
拮抗状態の二人。その背後から両手に炎を纏わせたリーゼントが高々とジャンプし、味方の真上から敵へ向かって攻撃を放とうとする。
「封印の――――」
「無効化」
赤黒髪の男の腕を離せばそちらにやられてしまうため、空いている片一方の腕を振るって飛んでくる造形魔導士を凍らせようとする。しかし、その一打も色黒の青年に無効化され、姿を消してしまう。
「あ!!ユウキてめぇ!!」
だが、それは同時に少年にチャンスが舞い込んだ瞬間でもあった。
「くおっ!!」
「うあっ!!」
火の造形魔導士が魔法を放とうとした時、なぜか手元からそれが消えてなくなる。その瞬間を見落とさなかったレオンは腕を掴んでいた男を投げるように上に持ち上げ、二人を衝突させる。
「いって!!」
「くっ!!」
巻き込まれないように素早く手を離して距離を取る。空中でぶつけられた二人はバランスを崩したまま、地面へと叩き付けられていた。
「ラッキー。助かったぜ、ユウキさん」
「チッ」
それと同時にレオンは気付いた。なぜ最初の攻防でユウキと呼ばれた男が無効化の魔法を使ってこなかったのか。
「お前の魔法は広範囲にしかできない。だから、味方に魔導士がいるこの状況では、無闇に発動できないってことか」
レオン一人を対象にできるのであれば、序盤から彼の魔法を封じて一気に優勢に立つことができる。しかし、それが出来ないため、なかなか発動できずにいたのだ。
「ミスったな、ユウキ」
「うるせぇ」
弱点を見破られたことに苛立っているユウキとちょっとニヤニヤしているエーメ。レオンはこれを期に反撃に出たいと、集中を高めていった。
シリルside
「水竜の翼撃!!」
操られているサクラを飛び越えて、両腕に纏わせた水を翼のように広げ、彼女に変化している女性を狙い打とうとする。
しかし、魔法が当たろうとした瞬間、突然体がふらつく。
「うわっ!!」
真っ直ぐ飛んでいったはずなのに、なぜか直前で軌道がズレた・・・気がする。
「何やってるのシリル!!」
「ごめん」
ズレたのか、はたまた俺がミスっていただけなのかわからないけど、ラウルがそれを見て翼を広げて、俺がやろうとしていたことをしようと飛んでいく。
「ほれ」
すると、視界の端でショートヘアの女性がわずかに動いたのが見えた。それと同時に、ラウルの体が右にわずかに傾いた。
「うわぁ!!」
「どわぁ!!」
進行方向が変わってしまった
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