な・・・ない・・・
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して変化を終えた男は、ムキムキの肉体から鋭い眼光で敵を睨む。
「私の力の香りを喰らうがいい!!」
腕を振り上げ、目に見えないほどの速度で振り下ろす。その威力は絶大で、クロッカスの塗装されている地面を簡単に粉砕した。
「見た目通りのパワーに速度。受けてしまったら大ダメージですね」
「!?」
しかし、狙い打ったはずの人物の声が頭上から聞こえてくる。意味がわからずそちらを一夜は見上げるが・・・
「ですが、俺には意味がない!!」
その顔面目掛けてホッパーの回し蹴りが繰り出される。
「ぐおっ!!」
「一夜さん!!」
巨体を支えきれず地面へと崩れ落ちる。天馬最強の魔導士を一撃で粉砕した青年は、地面に軽やかに着地すると、倒れた仲間たちを見て震えている人物を見下ろす。
「あとはあなただけですね、イヴさん」
絶大な力を持った青年の前に、イヴは何をすればいいのかわからず、冷や汗を流すだけだった。
辺り一面を凍らせようとしていた黒い氷が引いていく。それを放った少年は打ち消した青年を見て表情を歪ませていた。
「なるほど、だから今まで動かなかったのか」
彼がなぜ動かないのか疑問を感じていたが、今ようやくその理由が理解できた。魔法を無力化することができる彼は、そのチャンスを窺っていたということだったようだ。
「如何なる魔法も俺が打ち消す。テメェに勝ち目なんかねぇんだよ!!」
レオンの攻撃を無効化したタイミングを見計らい、三人の人物が一斉に襲い掛かる。
「くっ!!」
火の造形魔法で身長の倍はある剣を作り斬りかかってくるリーゼントの攻撃を、体を横にずらし対処する。しかし、ギリギリになってしまい腕を覆う衣服の一部に切れ目が付いた。
「どうした?動きが鈍っているぞ」
その背後から声が聞こえ、少年は振り返ろうとする。だがそれよりも早く、脇腹に女性剣士の剣が突き刺さった。
「くあっ・・・」
かなり深くまで突き刺さったらしく吐血する氷の神。だが、彼はその突き刺さる剣をガッチリと両手で挟む。
「何!?」
剣を引き抜こうと奮闘するエーメだったが、レオンが強くそれを掴んでいるため、逃げることができない。
「エーメ!!そのまま動くな!!」
このまま自分の間合いに引きずり込もうとしたレオンだったが、その声が聞こえたと同時に手を離す。その結果力が入りっぱなしだったエーメは後方へと倒れ、少年は振り返り向かってきていた男の手を掴む。
「危ねぇ・・・」
「いい反応するなぁ」
人指し指を立てて自身の腹部を突こうとしていた赤黒い髪の男性の手首を掴み捻り上げようとする。し
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