伝言
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かう。HPゲージが回復していくのを見ながら、トドメ役に任された俺とリズは後列を走る。
「リズ、大丈夫か?」
「大丈夫だってば。元はといえば、あんたがやられたのが悪いんだからね?」
「そう……言われるとな」
先程のことなど嘘だったかのように、リズから皮肉たっぷりな答えが返ってくる。どうやら心配いらないようだ、とアステリオス王に視線を集中をさせると、随分とやられた借りを返してやろうと柄を握り締めた。
「せやー……っ!」
グウェンの忍刀の一撃が炸裂したが、それはアステリオス王の片腕に持っているシミターで防がれてしまい、即座に返す刀がグウェンに襲いかかった。ただしグウェンもその一撃は囮だったらしく、すぐさまバックステップして盾持ちプレイヤーたちと場所を入れ替える。
「衝撃波来るぞ!」
「避けろよ!」
盾持ちプレイヤーたちの警告が響くが、アステリオス王のシミターの一撃を防いでいる故に、彼らにその衝撃波を避ける術はない。盾持ちプレイヤーの分まで衝撃波を避けると、アステリオス王の胴体を深々と斬り抜けた。
「っせい!」
その一撃によってアステリオス王の標的は俺に移り、こちらに向けてハンマーを放つが、その隙にリズがメイスの一撃を膝に叩き込んだ。その衝撃がアステリオス王に伝播したためか、ハンマーの位置は俺から大きくズレていく。
「オラッ!」
「転べオラッ!」
「そのハンマー邪魔ぁ!」
さらに麻痺状態から脱した盾持ちプレイヤーたちのシールドバッシュが膝に炸裂し、逆にアステリオス王がスタンし膝をつく。そこにグウェンが忍刀が届く距離まで落ちてきた腕を切り放し、大地に落下したハンマーがポリゴン片となっていく。
「トドメだ! ……っておい!?」
両足のスタンと片腕の切り離しと、ダウンしたアステリオス王に続々とラストアタック狙いのプレイヤーが集まってくるが、アステリオス王は片腕で空中に飛び上がってみせた。プレイヤーたちの手が届かない距離まで逃げたアステリオス王は、牙を向いた口に雷撃ブレスを溜める。
しかしあの浮遊城の頃とは違う。何故なら手が届かない距離だろうと、俺たちには攻撃手段があるのだから。
「撃て撃て!」
「ラストアタックいただきだぁ!」
虎頭のプレイヤーの指揮を受けて、銃撃プレイヤーたちの一斉射撃が空中のアステリオス王に襲いかかる。全身を針で突き刺さられるような感覚を味わうこととなったアステリオス王に、トドメとなったのは雷撃ブレスを放つ為に開いた口に炸裂した、虎頭のプレイヤーが放ったロケット弾だった。
『おめでとう〜! それじゃ、今日も一番頑張った人にご褒美をあげるね!』
「っしゃラストアタックいただきぃ! ユナちゃ〜ん、キスミー
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