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SAO−銀ノ月−
伝言
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ン将軍のHPゲージはきっちり削り取ってみせると、とにかくこの場から離れようとした瞬間――

「――――ッ!?」

 ――風に吹かれて消えていく煙の隙間から、アステリオス王のハンマーが迫ってきていた。避けられないと確信できる一瞬に、どう生き延びるか思考が過去からあらゆる記憶を導き出していき――

「ショウキッ――――――!」

 ――彼女の悲痛な叫びが、聞こえた。

「このっ!」

 永遠とも思えるような一瞬の思索の後、アステリオス王のハンマーは、見事に俺の身体に炸裂する――ことはなかった。アステリオス王のハンマーと俺の身体の間に日本刀《銀ノ月》を挟み込み、さらに自分から吹き飛ばされるように後方に下がることで、可能な限りダメージを減じてみせた。

「っつぅ……」

「ちょっとあんた! 大丈夫!?」

 それでもHPがギリギリ残った程度にすぎずに、近くにいたグウェンに手を引っ張られながら、なんとかアステリオス王の攻撃の範囲内から逃げだした。落ちていたアイテムボックスから回復アイテムを拾いながら、とりあえずリズと合流しに向かうと――

「ちょっとあんた、どうしたの?」

「え……えっと……」

 ――リズが涙を流しながらへたり込んでいて、俺にその表情を見せないように必死で涙を拭っていた。それでも大地に座り込んだまま立てないようで、いつも気丈なリズが見る影もなく。先程からずっと一緒にいたらしい盾持ちのプレイヤーたちに、どういうことだと殺気を込めた視線で問いかけた。

「い、いや、オレらは何もしてないって!」

「そうそう! アンタがやられるかって時に、悲鳴あげて倒れちゃって……」

「……ちょっと腰が抜けちゃっただけよ! そんなことより、そろそろ時間よ!」

 こちらに顔を背けながらもリズは立ち上がると、残り少ない時間という現実を突きつける。この《オーディナル・スケール》ではボス戦に十分という時間制限があり、実質的に三連戦となったこのトーラス戦に時間の余裕はない。

「グウェン、なにかいい作戦ないか?」

「……もう基本に立ち返るしかないんじゃないかしら」

 ともかく様子のおかしいリズのことを気にかけながらも、ひとまず作戦案を出してくれていたグウェンに問いかけると、冷や汗を流したグウェンが呟いた。銃撃プレイヤーに対して口から放つ雷撃ブレスで反撃し、近づいたプレイヤーにはハンマーで起こした衝撃波で動きを止め、追撃の一撃で沈めるアステリオス王を見て。

「基本?」

「あんたらが防ぐ! あんたらが殴る! ……あたしが隙を作る!」

「お、おう!」

 盾持ちプレイヤーたちに俺とリズ、それぞれに言い残してグウェンは忍刀を構えて、盾持ちプレイヤーの速度に合わせてアステリオス王へと向
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