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風魔の小次郎 風魔血風録
131部分:第十二話 聖剣の真実その五
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を忘れちゃいないか?」
「なっ、御前等」
 小次郎が彼等の姿を見て思わず声をあげた。
「麗羅、それに兜丸」
「御前等大丈夫なのか?」
 劉鵬もまた怪訝な顔で問うのだった。何と二人は微笑んで彼等の前に立っているのだ。
「大丈夫も何もこの程度の怪我でな」
「大事な時に休んでいられませんよ」
 だが二人は微笑んでまた言うのである。
「安心しろ、安心」
「足手纏いにはなりませんから」
「竜魔」
 霧風は二人を見て眉を僅かに顰めさせつつ竜魔に声をかけた。
「いいのか?」
「心が戦いに向いているのならな」 
 竜魔は霧風のその言葉に左目を閉じて答えた。
「構わん。だが無理はするな」
「無理だなんてそんな」
「俺達忍は元々無茶をするもんだろうが」
 二人の笑みと言葉は変わらない。
「だからな。いいんだよ」
「そういうことで御願いしますね」
「覚悟はできてるってわけか」
 劉鵬は彼等の真意がわかった。その明るく軽い笑みの裏側が。
「御前等、止めても行くな」
「これで俺達は九人だ」
「大丈夫ですよ、戦力になりますから」
「よし、ならまずは食うぞ」
 何故か劉鵬はここで食事のことを言った。
「食って体力つけて行くぞ、いいな」
「そうだな。では蘭子さんに飯を炊いてもらうように御願いするか」
 項羽は少し笑って述べた。
「白い飯をたっぷりとな」
「おかずは卵焼きだな」
 これは小龍の趣味だった。
「それと鰯に納豆に漬物に若布と玉葱のお味噌汁だ」
「おいおい、結構豪勢だな」
 林彪はメニューを聞いて頬を緩ませていた。
「朝飯みたいだがな」
「じゃあ肉じゃがでもつけるか」
「あっ、いいですね」
 もう兜丸と麗羅も話に入っていた。
「デザートは抹茶アイスで」
「抹茶アイスか。姫ちゃんが作ってくれたのだったらいいんだけれどな」
「はい、ありますよ」
「わかった。じゃあすぐに用意をする」
 話をすれば何とやらだった。その姫子と蘭子が出て来たのだった。
「御飯の量もおかずも奮発するぞ」
「皆さん」
 姫子は真剣そのものの顔になって風魔の面々に正対した。そのうえで彼等に対して言うのだった。背筋が伸び姿勢もいいものになっている。

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