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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第85話:客が帰り祭りが終わると、そこには過酷な現実がある
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その場で筒の中に黒い粉と小さく丸い石のような物を入れ、長い棒で入れた物を奥に押し込み、筒外側にあるこれまた奇妙な部位に火を灯す。
そしてその筒を目の高さになるように構えると、父さんの立ち位置から一番遠い場所に置いてある花瓶に向けて身体を停止させた。
それを見たウルフ君と武器開発部の2人は、慌てて両耳を押さえて縮こまる。
(パァン!!)(ガシャン!!)
吃驚した! 物凄く吃驚しました!!
父さんがその筒を構えた状態で操作すると、火の着いた箇所が筒の本体部分に接触し、大きな音を発生させた。その音と同時に、離れた場所に有る花瓶が割れたってことは、コレがその武器の性能なのか?
「驚かせてすまなかった。だがこの武器の能力を知って貰おうと思ってな……」
「つまり、この武器は離れた場所を攻撃できるのですか? 魔法を使えない者でも、離れた相手を攻撃できる……そういう事でよろしいですか父さん!?」
「そうです殿下。ウィンチェストはこの武器を『ガンツァー』と言ってましたが、俺に武器の概要を教えてたくれた者も陛下も、この武器を『火縄銃』と呼んでいます。なので我が国では火縄銃と呼称する事にします」
呼び方は如何でも良いけど、凄い武器である事は確かだ。
「……あれ? って事は、火縄銃を開発できるウィンチェストが他国へ亡命しちゃうってのは拙くないですか? 更に不思議なのは、そんな武器を開発した者を何で投獄してんですか!? 絶対我が国に恨みを持ちますよね!」
「簡単ですよ殿下。先程も言いましたが火縄銃の知識は陛下にもあるんです。ですが今まで公表してこなかったのは、危険な兵器であり平和的解決方法を重んじていたからに他ありません。大変尊敬できる主君でありますが、同時に未来の事を何も考えてないと思わざるを得ません」
「それは些か言い過ぎではありませんか宰相閣下!!」
流石のピピン大臣もウルフ君の発言に苦言を投じた。
だがウルフ君からは不気味な笑みが溢れるばかり……
彼はこんなにも怖い人物だったっけ?
ティミーSIDE END
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