暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第85話:客が帰り祭りが終わると、そこには過酷な現実がある
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
を続けます。さて、何故この様な状況になったのか……先に俺の心内を説明しますと、それはズバリ未来の為です! 未来のグランバニアをより良い国にして末永く存続させる為であります!」
「よく解らないなぁ……囚人を逃がす事が、未来のグランバニアの為になるのかい?」

「よくぞ聞いてくれました殿下!」
うわっ……何か褒められたよ。
怖いなぁ……父さんの機嫌も直らないし。

「事の始まりは、軍部が俺を使って少しでも世の中の風当たりを良くしようと画策した事になります。プライベートの事ですが、俺と軍務大臣付秘書官のレクルトとは、友人関係を築いております。それに目を付けたピピン大臣閣下が、事ある毎にレクルトを俺の下に寄こして愚痴を吐かせるのです。正直辟易しておりましたが、友人の為……そして国家には絶対に必要な軍部の為と思い、彼が持ち込んだ軍部の問題事を片付けてきました」

そんな事があったのか……
でも凄いなぁウルフ君は。
当時は宰相じゃなかっただろうに、問題解決に貢献できるんだもんなぁ……

「ある時です……通例の如くレクルトが俺の執務室へ訪れて、武器開発部の当時の部長たるウィンチェストの問題っぷりを吐露しに来ました。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ウィンチェストは各方面に顔が広く、特に民間企業の重役等と太いパイプで繋がっております。従って奴を敵に回すと、民間企業からの協力等が打ち切られる恐れがあり、迂闊にアイツを敵に回す事が出来ない方々は大勢居ました。ピピン大臣もその一人……もしアイツを敵に回して補給物資の価格を上げられたりしたら……唯でさえ軍部は予算を削減されてるのに、出費が嵩むのだけは避けたいと思うはず。だからこそ、あの男を何とかしたいとレクルトを使って遠回しに打診してきたのです」

「あ、あの……ち、違いますよ。僕は武器開発部にも何とか活躍させてあげたいなぁと、ウルフ君に相談しただけですよぉ!」
レクルト君……嘘くさいなぁ。

「そうなんです! レクルトは俺に『武器開発部を活躍させてくれ』と言ってきたのです! そこで閃きました! 丁度その時には、ホザック王国との国交再開打診の為の外遊が決定しており、地下には彼の国の奴隷商人が囚われており、この二つを組み合わせれば未来を切り開く奇跡の扉が開かれると考えたのです!」

「ちっ……僕の事までも利用する計画のくせに」
本当に如何したんだ!?
未だ僕には全容が見えてこないけど、父さんは見えちゃってるのか、機嫌の悪さが加速する。

「そう……この計画は、陛下の協力が無ければ完遂できません。現在は未完のまま……最後の一押しである、陛下の頭に存在する知識が大いに必要とされます」
「僕には全然見えてこないんだけど、こんなに怒ってる人に協力させるのは不可能なんじゃ?」

「先程か
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ