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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
外伝
外伝『魔弾と聖剣〜竜具を介して心に問う』―前章
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虹彩虹色ではない。ただ、知識としてそう――知っていただけにすぎない。
黒。それはどこまでも飲み込んでいく闇。死を思い示す不安な化粧。
その黒い船は、米粒程度の大きさから徐々に大きく近づいてきている。戦姫は息苦しい思いで、刻一刻と迫る戦いに緊張を掻き立てている。
突如、その『黒船』が荒々しい重低音を立てて、白い煙――ジョウキを吹かす。まるで、クジラの『潮吹(ブロウ)』の、それに似ている

「来たわね!?黒船!」

ぴしりと、雷禍がはじける音がした。それに伴い、ルヴーシュの精鋭たちが雷禍の閃姫に駆け寄る。

「戦姫様!奴らが!」
「軍議で打ち合わせた通りです!各自、予定通りの配置に付きなさい!」

兵への戦意高揚の為に、ヴァリツァイフの弦を張り詰め天高く掲げたとき、『黒船』の船頭にあたる首長竜筒砲(アームストロング)から、『細長い砲弾』が放たれた。

(竜技が……間に合わない)

次の瞬間、その空間に、炎と閃光と轟音が満ち溢れる――
だが、黒船の牽制に対して、ルヴーシュ軍に被害が被ることなかった。何故なら、黒船から発射された
鉄塊の魔弾を聖剣で斬り裂く一人の『傭兵』の姿があったからだ。

これが……長く続く、機械文明たる魔弾の『科学』と、自然元素たる竜具の『力学』の紡ぐ戦い……その緒戦であった。
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