ガンダムW
1661話
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の件はシャドウミラーではなく、あくまでも連合軍としての活動だ。
そこで俺に頼るような真似をした場合、下手をすれば処罰の対象にすらなりかねない。
『ええ、分かっています。ですが、現在の私達の状況で人を出せる余裕はありませんし、ここであの艦を見逃すような真似も出来ません。なので……アクセル代表が臨検するふりをして、実際に艦に乗って少し向こうと会話をするという事をして貰えれば』
「なるほど。下手な相手なら、ここで勝手に馬脚を現してくれる、か」
『はい』
「けど、それは逆に言えば下手な相手ではない場合はこのまま見逃すという事にならないか?」
『そうですね。ですが、元々こちらの戦力が少ない以上、それは仕方がないかと』
あっさりとそう告げる艦長の言葉に、そこまで向こうをしっかりと怪しんでいる訳ではないというのが分かる。
まぁ、そこまで言うのであれば……
「分かった、なら俺が臨検しよう。向こうが妙な手を打ってこなければ、それはそれで良しだし」
結局そういう事になった。
『で、アクセルが臨検をする訳? そもそも、臨検とかはした事がないでしょ?』
「まあな。けど、別にしっかりと臨検をする訳じゃない。臨検をするふりをして、向こうの出方を見るだけだ。……OZやバートン財団なら、臨検すると近付いた時点で妙な動きをするのは確定だろうし」
勿論俺達が見せ掛けだけの臨検をするというのを知っていれば、幾らでも誤魔化しようはある。
だが……それを知らないのであれば、自分達の正体が見破られかねないと焦って行動に出るのは間違いない。
さて、向こうはどう出るだろうな。
そう判断し、トールルギスを軍艦の方に向かって進める。
当然綾子のトーラスも、俺の後をついてくる。
何しろ、向こうの軍艦は2隻だ。
片方が妙な行動に出た場合、当然のようにもう1隻も何らかの行動に出るのは間違いないのだから。
そう考えれば、綾子が向こうを警戒するのは当然だった。
「こちら連合軍だ。これから臨検を行う。そっちの……俺達から離れた位置にいる艦は、格納庫に着艦する準備をしてくれ」
臨検するのは別にどっちでもよかったんだが、MSから離れた位置にいるという事は、何かあった時、すぐに逃げられるようにしている……と見る事も出来る。
まぁ、これは完全に俺が疑ってるだけって事もあるかもしれないが……それでも、一応だ。
『了解しました。準備は整いましたので、来て下さい』
軍艦からの通信を受け、そのまま格納庫が開いている艦に入っていく。
こうして大人しく俺を受け入れるという事は、やはり向こう側には特に何か怪しいところがないのだろう。
もしくは、余程の自信があるのか。
そのどちらかは分からないが、こちらとしては面倒
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