50話「ロリへの愛は世界を救うか??〜苦しみの魔王D〜」
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宙そのものである化け物の力を使える訳がないぃぃぃぃ!家畜ごときがハッタリで僕をびびらせようたって、そうはいかないんだぁぁぁぁぁ!」
ここに来て、魔王は俺がどんな魔法を使うのか理解したようだ。
米軍兵士を放置して、先ほどの凶悪な光をまた放とうとしている。回避はできない。
発動と同時に、相手に当たる魔法だからだ。しかし、魔王の魔法が発動する直前――
「今すぐ死ねぇぇぇぇぇ!家畜がぁぁぁぁぁ!」
「精神破壊波(マインド・クラッシャー)!」
聞きなれた声とともに、破滅的な光が収束し、魔王の頭へと直撃した。魔王は苦しんで魔法の発動を中断する。
俺は視線を、声の方角へと向けると――そこには、ドナルド先輩がいた。魂に相当のダメージが入っているから、精神破壊波を発動させるリスクが大きいのに、俺を助けてくれたのである。
「どうだい?僕はヒーローのピンチに駆けつけるダークヒーローなのさ。格好いいだろ?」
今の先輩は最高に輝いていた。人生に疲れた顔が、いい感じに人間味を与えてくれる。
ここまで状況が悪化したのは、ドナルド先輩と俺がバトルして、時間を無駄に浪費したせいでもあるのだが、心強い味方だと思えた。
だが状況は悪い。苦しみの魔王が、最高のタイミングで魔法を妨害され続ける事に苛立ち、攻撃の優先目標を俺から――
「貴様ぁー!?裏切り者の分際でぇぇぇぇぇー!邪魔をするなぁぁぁぁぁ!」
「トモヤ君――」
先輩の魂が光の渦に飲み込まれて消し飛んだ。魔王が放つ光が直撃し、ガラスのように粉々に魂が砕け散っている。
先輩は最後の最後で、白が提案した正義の味方としての……活躍の仕方。それを俺に見せつけ、貴重な時間を稼ぎ、死んだ。
白もいない。先輩もいない。泣きたくなるくらい失ったものは大きい。
「呪文が完成したようだけどっ……!それがどうしたぁー!物質的な距離に縛られている貴様らが、僕を倒せる訳がないんだぁぁぁぁぁー!」
苦しみの魔王が俺にトドメを刺そうと、大量の破滅的な光を放とうする瞬間――俺の詠唱は終わった。ここに運命すら変える魔法が発動する。
「絶対殺戮権限(パーフェクト・ワールド)っ!食い散らかせぇー!名も知らぬ殺戮の魔王っー!」
魔王がその巨体を転移させ、どこかへと逃げる。
しかし、そんな方法では、この魔法の効果から逃げる事はできない。
世界がゆっくりと変容していく……。世界単位で影響を及ぼす大魔法が、世界を塗り潰し、そして――結果をもたらした。
(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)皆、死んじゃった……?
(´・ω・`)主人公以外、主要キャラ全員死亡でござる。
(ノ゚ω゚)(ノ゚ω゚)ひでぇ!?
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