第00話 その名はガンダム
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チクショウ、チクショウぉ‥‥!」
銃弾を惜しんだのか。頭を鉈のようで割られた幼少より苦楽を共にした仲間たち、確かに罪を犯したこともある、だがこんな―――まるで虫けらのような最期を迎えなければいけないほど悪いことをしただろうか。
自分たちは、そうしなければいけないからそうしただけなのに。
しかしふと、煮えくり返る臓腑の熱で頭がどうにかなりそうな中、見渡して気づく。
「!……ガキどもの死体だけ、無い。」
妹を始め、幼少と言える年齢の連中の死体だけが無い―――ということは、
「まだ、生きているかもしれない……!」
微かな希望、それによって崩れ落ちそうだった四肢に活力が蘇る。確か、少年兵を作るために各地のスラム街などから子供の拉致が頻発していることは知っている。
そして、そういった幼少連中の死体が無いということは、そういう事だ。
(だけど、追いついたところでどうする……殺されるだけだ)
だが、相手は武装した人間だ。自分が歯向かったところで無残に死体をさらすだけだろう。
でもそれでも――――
「俺は、ビルスと約束したんだ―――絶対にアットを守るって!!!」
男と男の約束、それを違えるわけにはいかない。その結果、ただ無意味に死ぬだけだとしても。
「みんな、ごめん!!」
時間の猶予はない、仲間たちの――兄弟のように生きてきたみんなの亡骸はおいていくしかない。
意味なんてないと分かっていても謝らずにはいられなかった。
そして、後ろ髪引かれる感覚を感じながら建物から飛び出した――――しかし、真昼でこんなにも燃え盛っているというのに影が差す。
「−−−え、」
見上げた先には絶望が立っていた。鋼鉄の巨体、まるで全身血で塗装したかのような禍々しく紅い装甲、自分を見下ろす光る双眸。
―――ガンダムがモビルスーツの全高にも匹敵する巨大な大剣を振り上げていた。
ああ、もうだめだ。こんな圧倒的な武威を前に自分のような虫けらごとき矮小な存在が生き延びれるわけがない。
希望が潰え、絶望だけが広がっていく。死の恐怖という底なし沼に体が沈んでいくような錯覚を覚える。
鋼鉄の巨人がその鉄塊を振り下ろした――――
「−−−−−っ!!!」
咄嗟に反射的に目を瞑る―――到来する衝撃。地面が大きく揺れた。
だけども、自分……ハッシュ・ミディは生きていた。
「一体なにが……」
見上げた先、振り下ろされる鋼の暴力を防いだ存在がいた。
白い装甲、同じく光る双眸――――両肩には赤と白の花模様。新たなガンダムがその暴威からハッシュを守ったのだった。
『生きてる?』
両肩の赤の中に白く華のような紋章を付け
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