暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる・外伝
美保鎮守府NOW-Side B- PART8
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 あの日、各所ではC

 〜美保鎮守府宿舎:明け方〜

「ただいま」

「よ〜っす、お疲れさん。帰ってきたって事はそっちでも一騒動あったな?」

 美保提督の自宅を離れた川内が宿舎に帰投すると、煙草をくわえて不機嫌そうな提督が出迎えた。同室にいる青葉と金剛も、苦々しげにコーヒーを啜っている。

「ありゃ、珍しいねぇ金剛がコーヒーなんて」

「こんな気分じゃ紅茶も楽しめないネー!」

 ぶすっとした返事を返してコーヒーを啜る金剛に、川内は首を傾げる。

「さっきブルネイから入った情報のせいで、金剛さんご立腹なんですよ」

 と苦笑する青葉。

「どうにも俺、クビらしいわ」

 とケラケラ笑う提督。

「ふ〜ん……提督がクビねぇ。提督がクビ……って一大事じゃん!何そんなに悠長に構えてるのさ!?」

 と、見事なノリツッコミを披露する川内。深夜テンションでおかしくなっているのだろうか?等と考えてしまう提督も大概である。

「まぁ落ち着け。一応まだそういう連絡は『正式には』入ってねぇよ、ただ……『敵さん』の下っ端がゲロってくれたらしいが」

 そう提督が言うと、青葉が川内にブルネイから送られてきた情報を伝える。ブルネイが陸軍の一部に制圧されそうになった事、その際に提督が更迭される事が決まっていると聞き出した事、それによって鎮守府が非常事態モードになっている事などなど。

「んでもって、ついさっきまで大淀とテレビ会議してたワケよ」

「成る程ね、下手したら提督は今日から無職ってワケか」

「そうなるなぁ、笑えるぜ」

 事情を聞いた川内と提督が2人でケラケラと笑う。そんなお気楽モードに見える態度に苛立っているのか、金剛の顔が赤くなっていく。

「……で?このままやられっぱなしじゃあ無いんでしょ?提督」

「当たり前だ、俺ぁ殴られっぱなしで喜ぶようなマゾじゃねぇぞ?」

 そう言って提督は煙草を思いっきり吸い、フーッと紫煙を吐き出した。

「ウチのシマにコナぁかけたんだ、落とし前はキッチリ着けてもらう」

「うわぁ提督、ゴッドファーザーか仁義なき戦いのテーマが似合いそうな位悪い顔してますよ?」

 そう言いながら青葉もニヤニヤしている。反論してやりたいが、自分でも自覚があるのが切ない。





「で、具体的にはどうするんですかdarling?」

「大淀の奴が俺の指示したマニュアル通りに動いてるなら、既に爆弾は仕掛けられた」

 下手すりゃ国が傾きかけるレベルの、特大の奴だ。これはジジィにも話した事がない俺独自の人脈による物だから、敵に悟られる可能性も低い。

「後は敵の狙いが解れば、炙り出しも楽なんだけどねぇ……」

 腕を組んで、う〜んと
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ