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フロンティアを駆け抜けて
融解する鋼の心
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「あつっ……!! ダイバ君に、当たってないよね?」
「もういい、早く離れて。このままじゃ危ない」
「大丈夫だよ。ダイバ君が怪我しなかったらこのままで……ダイバ君を守れるなら私はちょっとくらい怪我しても幸せだよ?」
「良くない。僕はジェムを一方的に利用なんかしたくない。ジェムにママみたいな誰かに利用されるだけの行為が好意だなんて言ってほしくない。ラティアス、ジェムを引きはがせ。メタグロスは『バレットパンチ』で攻撃!」
「グオォ!」

 メタグロスがダイバが乗っている腕以外の三本で高速の拳をエンニュートとドヒドイデに浴びせる。エンニュートはその素早さで躱し、ドヒドイデは殻を硬くして防がれたが攻撃に転じるほどの余裕は与えない。

「ラティ、ダメだよ。ダイバ君と一緒にいさせて?」
「……ひゅうあん!」
「あっ……」

 ラティアスは相反する指令に少し迷ったようだが、それでもジェムの異常な状態を思ってダイバの指示に従った。念力がジェムをダイバから無理やり離し、ジェムをラティアスの背中に乗せて動けなくする。ポケモンの念力にジェムが抗えるはずもなく、無理やりラティアスの背中に乗せられたジェムは瞳を潤ませ真っ赤になった顔でダイバを見る。でもそれは、ダイバにとって母親を思い起こさせる嫌なものでしかない。

「なんで……? ダイバ君は私のこと、嫌い?」
「……嫌いだよ。何も知ろうとせず、弱いくせにチャンピオンと同じことをしようとしてたジェムも、アルカやラティアスを無視して僕しか見てないジェムも。何の根拠もなく誰もが両親に愛されてるなんて妄想を押し付けられるのも自分を無視して尽くされるのもうっとおしくて苛々する」
「そんな私は、とっても好きなのに……ひどいよ……」

 だから、はっきり否定した。ジェムは泣き出したが、そんなことはどうでもいい。ダイバは今のジェムの言葉に何の価値も感じない。

「……メタグロス、『地震』!」
「プランチ『ワイドガード』なのです!」

 メタグロスが本体と腕を一気に下降させ、巨大な槌のように床を叩く。メタグロスの体が埋まるほどの力に凄まじい衝撃が発生して相手を襲う。だがドヒドイデも地面に棘を打ち出して衝撃を与え、相手の放つ衝撃を相殺した。致命的なダメージはない。

「弱点を突こうとしたのでしょうが、無駄な事なのです。わたし達は徹底して自分を守り、毒で相手の体も心も蝕む……理想や目標なんて生きるのに邪魔なものを持ってるお高くとまった人たちなんて全部喰らい尽してやるのです!」
「……君の理念なんて、僕が知ったことか。 やれメタグロス」
「はっ、何度やっても同じことですよ」

 メタグロスの攻撃力は高い。ポケモンとしての自力で言えばそもそもトレーナーとしてではな
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