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風魔の小次郎 風魔血風録
125部分:第十一話 武蔵の力その十
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な」
「くっ!」
「これで終わらせる」
 前に出た武蔵の姿が消えた。
「この一撃でな」
「何のっ!」
 麗羅も伊達に風魔最強の忍の一人ではなかった。咄嗟にその場から跳ぶ。しかしそれでも武蔵の剣を完全にかわすのは不可能だった。
 彼は右脚にそれを受けた。飛龍覇皇剣が貫いたのだった。丁度それは小次郎が受けた時とほぼ同じ状況であった。
「やはりかわしたか」
「うう・・・・・・」
「三人が三人してこの武蔵の剣を急所はかわすとはな」
 その剣を抜きながら述べる。麗羅は剣が抜けるとすぐに一旦姿を消し間合いを離してそこに移るのだった。左膝をつき何とか顔を武蔵に向けてはいる。
「風魔恐るべしと言うべきか」
「そうそう簡単にやられるわけにはいかない」
 麗羅は痛みに必死に耐えながら武蔵に言葉を返した。
「僕にも。意地がある」
「意地か」
「そうだ。死ぬわけにはいかない」
 それをまた告げた。
「何があっても。皆の為に」
「それは俺も同じこと」
「何っ!?」 
 今の武蔵の言葉に意外そうな顔になった。
「それは一体どういうことだ」
「それを言うつもりはない。しかしだ」
 武蔵はここでまた剣を構えてきた。長剣がそれに煌く。
「ここで止めを刺させてもらう。覚悟しろ」
「うう・・・・・・」
 ダメージがあまりにも大きく遠くへ跳ぶことはできなかった。最早武蔵の攻撃を防ぐことも無理だ。彼の命運はもう決まったかに見えた。

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