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提督はBarにいる・外伝
美保鎮守府NOW-Side B- PART7
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 あの日、各所ではB

〜美保提督自宅前:深夜〜

 静寂が闇を包み込む深夜。その闇に溶け込むように忍び寄る影一つ。全身黒装束に身を包み、僅かに覗く地肌は病的な程に白い。周囲を警戒するように忙しなく体勢を入れ替えながら、そろりそろりと美保提督の自宅に忍び寄る。左手は常に腰の辺りに添えられ、そこにマウントされた何かをすぐに抜けるようにと構えられている。誰にも気付かれた様子はない、後はこのまま鍵をこじ開けて侵入し、眠り込んでいる提督を艦娘諸共にーー……

『何してるのかな?』

 不意に、何処からか声を掛けられた。声の発生源を探すが、見つけられない。

「ここだよ」

 耳元で声がした。気配を気取られずに背後に回り込み、声を発したのか。恐ろしく腕の立つ相手だ。咄嗟に後ろ蹴りを放って前に跳ぶ。蹴りは防御されてしまったようだが、間合いを空ける事には成功した。

「キサマ……ナニモノダ?」

「それはこっちの台詞だよ〜?不審者さん。そこ、美保鎮守府の提督さんの家だって知ってて、押し入ろうとしてたでしょ」

 話し掛けて来た女(恐らくは艦娘)は、油断なくこちらを睨み付けながら腰に挿していた小刀を抜いた。

「それと、さっきの質問。私が何者かだっけ?答える必要あるかな……今から死ぬかもしれない人に、さっ!」

 美保提督に放たれた刺客に話し掛けた女性……川内は、会話が途切れるや否や飛び掛かった。




 先手必勝、首筋の動脈を掻っ切って終わらせる。そのつもりで切り込んだ川内。しかしその目論見は外れ、川内の忍者刀は弾かれる。相手の得物は武骨なアーミーナイフ。しかしその構えは川内同様、逆手に構えた変則の脇構え。同じ様な構え、似た得物。漂う雰囲気から見ても相手は十中八九深海棲艦。しかし何かモヤモヤとした物を川内は感じ取る。

「シッ!」

 腰に提げたポーチに左手を突っ込み、指にクナイを引っ掻けて投擲する。敵も顔面に迫るそれをナイフで弾くが、その隙を逃す程にブルネイの鬼の警備班長は甘くない。僅かに流れた身体に接近し、脇腹に忍者刀を突き立てる。

「グウゥ……!」

 川内の忍者刀の素材は深海鋼。艦娘と深海棲艦の身体に傷を作れば、徐々に腐らせていくように細胞を破壊していく呪いの如き武器。早く治療すれば助かる可能性もあるが、時間が経てば経つほど死が近付く。刃を突き立てた川内は満足そうに、引き抜く為に前蹴りを腹に叩き込む。たたらを踏んでよろける敵に、尚も迫る川内。

『今度こそ首を刈ってやる!』

 そう思って再び敵の懐に飛び込むが、アーミーナイフでその斬撃は弾かれる。周囲にカキーンと金属同士の衝突音が響く。その音が目覚ましになったのか、提督の家とその隣の大井親子の家に灯りが灯る。それと同時にガオォン!と
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