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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十話 身体の傷、心の傷
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アスカはなのはの前まで歩み寄り、敬礼する。

「先ほどは出過ぎたマネをして、申し訳有りませんでした!」

「え…何の事?」

何の謝罪なのか分からず、なのはは聞き返す。

「模擬戦への乱入及び、危険行為です。勝手な事をしました」

スターズとフェイトの模擬戦の最中に乱入して、それで大怪我をした事への謝罪であった。

それを理解したなのはが頷く。

「そうだね。少し叱っておかないといけない事だね。昇格試験の時にも言ったし、アグスタの時もヴィータ副隊長からの注意はあったよね?」

口調は静かで、叱ると言うよりは諭す感じでアスカに語りかけるなのは。

「はい、仰る通りです」

アスカは言い訳をしなかった。

「何であんな事をしたのか、聞かせてくれるかな?」

あくまで静かに、優しく訊ねるなのは。

「……あの時、飛び出さずにはいられなかったんです。ティアナの暴走を止められなかったのはオレの責任です。無茶していたのは知っていたのに、止める事ができませんでした。だから…」

「だから身体を盾にしてティアナを止めた。ティアナがフェイト隊長を傷つけたら、きっとまた自分を責めてしまうから、だね?」

なのはに先に言われて驚くアスカ。

「もちろん、本気のハラオウン隊長なら充分対処できたでしょうが、それじゃ意味がないんです」

「仲間が止めなくちゃいけなかった。間違った事を正すのが仲間だから。スバルはティアナに全幅の信頼をおいているから、諫めるなんてしないだろうし、エリオとキャロにそれを求めるのは酷。だからアスカ君が止めないといけないと思ったんだね?」

またもや先に言われてしまい、アスカは黙ってしまう。

「アスカ君の言いたい事は分かるよ。でも、だからと言って自分を危険にさらすような事は容認できません」

「はい……」

なのはは、アスカの事を心配している。それが分かるから、なんの反論もできない。

「でも、それだけじゃないよね?」

「え?」

なのはの言葉に、アスカは思わず聞き返してしまった。

自分の行動理由は、全てなのはが言ってしまった筈だった。

にも関わらず、他の理由があるように言われている。

「仲間思いってだけの行動じゃないよね?」

なのはの言いたい事が分からず、アスカは戸惑ってしまっている。

「悪いとは思ったが、少しお前の事を調べさせてもらった」

シグナムが話に入ってくる。

「……」

「6年前に陸士099部隊長、ドミニク・ディゼル三佐の養子として引き取られると同時に入局。1年後、山岳訓練中に山崩れに巻き込まれ、全治3ヶ月の大怪我を負う。今から3年前には、オルセアで警備任務に赴き、これを完遂」

「……」

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