123部分:第十一話 武蔵の力その八
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はい。是非共」
兜丸を護り背を向けたまままた述べたのだった。
「ここはそれで御願いしますね」
「わかったって言うしかないんだな」
兜丸はそれがかなり無念そうではあった。
「ここはな」
「御願いします。それでは」
「ああ。飛鳥武蔵」
今度は忌々しげに武蔵を見据えての言葉だった。
「決着は今度だ。去らせてもらう」
「そうするといい。だがこれで貴様は当分闘えまい」
武蔵が今度指摘したのはそこであった。
「風魔、これで一人欠けたな」
「くっ・・・・・・」
「残り八人だな」
「それは大した問題じゃないですよ」
麗羅がここで武蔵に対して言い返した。
「どういうことだ」
「ここで貴方も倒れるからですよ」
やはり兜丸を護ったまま言うのだった。
「それでおあいこですから」
「頼む、麗羅」
何時になく真摯な兜丸の声だった。
「俺が油断したばっかりにな」
「いいですよ。それより」
その兜丸を気遣ってまた言う。
「早く撤退して下さい。そして傷を」
「わかった。そうさせてもらう」
「御願いします」
こうして兜丸は雷と共に姿を消した。麗羅はそれを背に受けつつあらためて武蔵と対峙するのだった。既にその全身からは激しい殺気を放っている。
「次の相手は僕ですね」
「風魔八忍の一人麗羅だな」
「如何にも」
まずは名乗るのだった。
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