暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic30プライソン・スカリエッティ〜Infinite One〜
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術式の締めとして床の氷を殴った。衝撃が床全体に広がって行き、氷の床や柱、そして奴もろとも派手に砕け散った。視界が真っ白に染まる中、俺とアイリは「ユニゾンアウト・・・!」して、二手に分かれる。そして俺は白煙の中を突っ込み、白煙の中でうっすらと輝く奴のリンカーコアを目指す。

――ファイアウォール――

リンカーコアを視認したところで、俺の目の前に炎の壁が立ち上った。両手に炎熱系魔力を纏わせ、「どっせい!」炎の壁に十指を突っ込んで、壁を左右にこじ開けに入る。広間の至るところに火柱が立ち、凍っている奴の肉片を溶かしていく。

「何が攻略する術だ。何も変わら――っ!?」

壁の向こうから聞こえていた声が急に途切れた。そして俺がこじ開けた壁の隙間を縫って、その小さな体でリンカーコアを抱えたアイリが「ゲッチュー!」飛び出してきた。

「いつの間にユニゾンを解除して・・・!?」

「おわっ!?」

どこからともなく聞こえた奴の驚愕の声。アイリの持つリンカーコアが強烈な光を発し、ものすごい勢いで血管やら神経が構築され始めた。だからアイリも「キモっ!」そう言ってリンカーコアを放り捨てた。弧を描きながら宙を舞うリンカーコアの周囲に骨格が形成され始める。

「お前の負けだよ、プライソン」

――メタスターゼン・トーア――

転移魔法を発動した俺は右腕を伸ばし、筋肉に覆われ始める前にリンカーコアを掴み取った。俺の右腕に貫かれたまま奴の体は再生を果たし、「あぁ、楽しかった・・・」満足そうに眼を閉じた。

「ふんっ!」

そして俺は奴のリンカーコアを引き抜き、俺の胸から浮き出て来た魔力炉(システム)と同化させると、「やっと帰ってきたな」喪失感が埋まったような感じがした。

「さぁ、これで幕だ、神器王」

「ああ。アイリ、ユニゾンだ」

「ヤー!」

――第二級粛清執行権限――

アイリと再びユニゾンを果たした俺はリミッターを解除し、「我が手に携えしは友が誇りし至高の幻想!」久々に詠唱をした。いくらか記憶を失うだろうが、今は奴を否定――殺すことだけを考える。

(レン。お前のスキル、使わせてもらうぞ)

――真技・穢れし魂に厳粛なる浄化を(アム・リベラシオン)――

「ぅぐぅぅ・・・!」

『マイスター!?』

強烈な頭痛と胸痛に耐え、左手に巨大な霊体の腕を纏わせて奴に突っ込む。すれ違い様に奴の肉体から人型の魂だけを抜き取り、グッと鷲掴みながら抱え上げる。

『素晴らしい! なるほど、不死の殺し方は魂の消滅か!』

魂だけとなった奴が歓喜の声を上げた。

「少し違うが、まぁそんなところだ。命ある生物である以上、不死など存在しない。魂をどうにかすれば、不死の体とて無事では済まない」


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