第76話 連れ去り
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には持ち込まれた事のない知識や概念が9割であった。
三平方の定理であったり、王政復古の大号令などこちらの住民ならば知っていて当然の事柄をサソリは知らない。
しかし逆も然り、忍界大戦やチャクラの概念をこちらの住民は知らない。
違う国同士では挨拶の仕方が異なるように生きているはずの世界が違い過ぎる。
それはサソリ自身も感じていた。
御坂達と出会って数ヶ月、今まで味わった事がないほどの穏やかな日々を送っている。
修羅の道に居たサソリには考えられないような生活だった。
逆にあちらの世界の事がこちらには記載されていない
それが意味するのは自明だった。
「「......」」
「......マダラはオレの所では最強最悪の忍と恐れられた存在だ。かつて圧倒的な力で地形を変えたり多くの里を滅ぼしてきた奴だ」
忍の名門 うちは一族で首領を務め、忍の始祖とされる『六道仙人』の末裔。
戦乱の時代に世界を二分する戦いを演じ最も深淵で闇の世界に身を堕とし、拳を振り上げて下ろせば天地が裂ける伝説の者だ。
「ふ、復活って!?かなりヤバイ奴って事!?」
「かなりな......オレは勝てる自信がない」
「でどうするのぉ?アイツら未だに最低な実験をしているみたいだけどぉ」
「......奴らはどうやってマダラを復活させるつもりだ?」
事態はかなり切迫して来ているのが感覚的に理解できた。
だが、最後の疑問は拭えない
マダラのクローンを造り、写輪眼を生み出してどうする?
思い出せ
今までに幾度となくヒントはあった
誤算はオレが居ることで.......その時に話していたのは......
「影十尾」
サソリはテーブルから立ち上がり、顔色を悪くした。
違うマダラの復活だけじゃない
ゼツは兵器の『尾獣』を復活させるつもりか。
「御坂......」
「は、はい!」
「全員と連絡を取れ......計画が解った。食蜂、ありがとうな」
その表情は柔らかくララの優しさが滲み出て懐かしい気持ちになる。
「!?べ、別にぃ」
「わ、解ったって?」
「奴らはここを滅ぼすつもりだ」
「ど、どどどういうこと!?」
「尾獣という兵器を復活させ......!?」
ドクン!
サソリ身体が大きく揺らいで膝から崩れ落ちる。
「な......なん......だ?か、身体が」
サソリの身体が鉛のように重くなり、視界がぼやけていく。まるで黒衣の緞帳が瞼の上で降りてくるような。
「サソリ!?サソリー」
御坂と食蜂が駆け寄るが依然としてサソリの眼は焦点が合わないように痙攣していた。
「クソ......はあはあ」
「謎解キハソコマデダナ......サソリ」
「!?」
テーブルの上に黒いネバネバした液体が滴り落ちながら人型を作
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