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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
194 三年目の終わり
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ーマイオニーの杞憂(きゆう)が実現した──ルーピン先生の件がホグワーツでまことしやかに噂される様になったのだ。

「ええっ!? ルーピン先生がクビにっ?」

「でもどうして…」

「どうにも目ばたが利くレイブンクロー生の仕業みたいだな──多分だが、好奇心やらで要らん地雷を踏んじまったみたいだな」

ハーマイオニーの驚愕にボクがやるせなく被せ、そのボクの呟きにロンが簡潔に返す。……朝食を食べながらレイブンクローの机の方をちらり、と盗み見る。

すると何人かがボクのそんな視線に気付き、さっ、と目を逸らす。……ロンの言葉と、今みたいなレイブンクロー生の反応から察するなら、(わざ)とではないみたいだ。

……そしてロンは「それよりも悪い話がある」と【日刊予言者新聞】のとある一面が見える様にテーブルに置いた。嫌な予感を感じながら予言者≠ノ目を通せば、書面には驚くべきことが記されていた。

「……何々──[ピーター・ペティグリュー脱獄!!]…?」

「失態だよな。……しかも気付いてるか?」

「……?」「……?」「……?」

事も無さげに管理体制をぶった切るロン。そしてロンからの問い掛けにボク、ハーマイオニー、ネビルは頭にクエスチョンマークを踊らせる。

「あー、悪い。ネビルは無関係だった」

「酷いやっ!?」

「すまんすまん。ネビルはその場≠ノは居なかったんだよ」

(ん…?)

ハブられたと思ったらしいネビルは轟沈する。……ロンは──真人君は人の機微に聡い。けれでも失言が無いわけではないので、今みたいに失言の後には直ぐにフォローが入る。……それは良い。

……ボクが気になったのはロンが口にしたその場≠ニ云う表現だ。

ネビルがボクたちの輪に入ってきたのは厳密には去年度の暮れだが──今年度からだ。ネビルとツルむ前の事ならその時≠ニ表現する方がスッキリくる。

何とも喉奥に小骨が引っ掛かった気分と格闘していると、ロンが得意げにヒントを出してきた。

「ヒントは今日の日付だ」

「ん? 今日の日付…? ……今日は6月7日だけど──っ」

口にしていて、直ぐに判った。今日が6月7日なら昨日は6月6日な訳で…

「トレローニー先生の予言…っ!」

「だな」

トレローニー先生の予言を要約すれば、ヴォルデモートが強くなって復活する──みたいな内容だったはずだ。

「って事は…」

「来るぞ」

短いロンの言葉と共に雨足が強くなった様な気がした。

SIDE END
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