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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
193 パッドフット帰還
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消え入る様な声量で「もしや…」とも口にしているあたり下手人(そいつ)≠フ正体にも気付きかけているのかもしれない。マクゴナガル先生の呟きを無視だ。

「そいつ≠ェ俺の寝込みを襲った理由はとある男≠フ──ピーター・ペティグリューの身柄を欲していたからです」

「有り得ません! ペティグリューは──ピーターは…」

「シリウス・ブラックには殺されていません。だって誰もピーター・ペティグリューの遺体は確認していないはずです」

「確認されています、それは…」

「腕一本や足一本ならともかく、指一本ただそれだけで遺体≠セと断定できましょうか」

「ですがピーターは行方不明です。言っておきますがピーターは目くらまし呪文≠ェ使えませんでしたよ」

マクゴナガル先生「目くらまし呪文≠ヘ高度な魔法ですからね」と言外にピーター・ペティグリューの劣等さをに(あらわ)にしながら反論する。

「それによしんば目くらまし呪文≠ピーターが使えていたとして、姿を表さない理由はどう説明しますか?」

「姿を現さなかったのは粛清を恐れたからです。……≪死喰い(デスイーター)≫共から逃げていたのでしょう」

「どうしてそこで≪死喰い(デスイーター)≫の話が出るのでしょうか」

「それはピーター・ペティグリューが売った情報で名前を言ってはいけない例のあの人≠ェ凋落(ちょうらく)したからです」

「そんな──まさか…」

絶句しているマクゴナガル先生。俺は容赦せずに告げる。

「ジェームズ・ポッターとリリー・ポッターの居場所を売ったのはピーター・ペティグリューです。……シリウス・ブラック氏の機転で忠誠の術≠フ秘密の守り人≠ヘピーター・ペティグリューと云うことになっていたのです」

「ああっ、シリウス…」

マクゴナガル先生はその場に崩れ落ちた。

………。

……。

…。

5分ほどしてマクゴナガル先生が回復して、ごもっともな事を()いてきた。

「……ブラックがピーター・ペティグリューの身柄を欲している理由は判りました──ですがどうして貴方を襲ったのです」

「状況証拠からの類推になりますが──まず吸魂鬼(ディメンター)は人間≠フ幸福な気持ちを(すす)って生きていますよね」

「ええ、そうですね」

「人間≠フと云うことは、逆説的に動物≠フ気持ちはうまく吸えないと云うことです」

「確かに吸魂鬼(ディメンター)が動物を襲ったと云う例は聞きませんね──もしや」

俺とアニーに動物もどき(アニメーガス)≠ノついて教授したのはマクゴナガル先生だ。……故にシリウス・ブラックがアズカバンを脱獄出来た理由を気付けたのだろう。


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