【ハリー・ポッター】編
192 侵入者シリウス・ブラック
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んな事をした──塒へと侵入してきた不届き者に寛大な処置をしている理由は2つある。……1つ俺はそいつ≠ノ悪感情が──一握ばかりの呆れ≠ヘ有れど、ほとんど世間が懐いている様な恐怖≠竄辯畏怖≠ェ無かったから。一応顔を確認したかったからだ。
「“光よ(ルーモス)”──うわぁ」
杖の明かりで照らされた先のそいつ≠フ顏を見て思わず呻いてしまう。俺の覚えのあるのは12年前のアズカバンに収容された時に撮られたであろう軽く窶れた写真だった。それでもその容姿にはまだクールさが見れた。
……しかし今のそいつ>氛气Vリウス・ブラックは変わり果てていた。……骨格標本にわずかばかりの肉と皮を張り付けて、頭から昆布を垂らしただけと言われても信じられるほどだった。
「“拭え(テルジオ)”“清めよ(スコージファイ)”“裂けよ(ディフィンド)”」
あまりにも見ていられない様相だったので、シリウス・ブラックの身体を応急処置として清め∞拭って≠ィいた。序でに伸び放題だった髪の毛も軽くしておく。
「後は──っ、おっと、ちゃんとこいつの正体≠知っとかないとな」
もう1つ必要なシークエンスがあったのを思い出す。
――“開心”!
開心術≠使い、正式にシリウス・ブラック≠ノついて知っておく。……脳内に識っていた¥報が流れ込んでくる。
……おまけとばかりにピーター・ペティグリューに対しての感情──もしくは激情まで流れ込んできたので、俺自身もその激情に充てられそうになったが無理矢理鎮静させる。
「何はともあれ──シリウス・ブラック、ゲットだぜ」
<なぁーぉ>
俺の諧謔に反応してくれるのはクルックシャンクスだけだったので、何処と無く虚しく思えた──早く春が来てほしいといつになく思ったそんな夜の出来事だった。
SIDE END
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