【ハリー・ポッター】編
192 侵入者シリウス・ブラック
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ディッチの二戦目を明後日に控えた今日、俺は今も尚俺の身体を駈け上がり、頭上約1メートルのでふよふよと念動力で浮いているケージ目掛けて突撃をかまそうとしているオレンジの毛玉と格闘していた。
<なーぉ>
「いや、なーぉ≠カゃないから。それにスキャバーズも食いモンじゃないから」
しっし、と、オレンジの毛玉──ハーマイオニーの飼い猫であるクルックシャンクスを遠くやろうするもクルックシャンクスは取り付くしまも無く、その視線は俺の頭上で固定されたまま。
(……ま、保護呪文を掛けてあるんだがな)
猫に語っても栓無き事なので口にしない。……その上アホみたいに莫大なエネルギーを譲渡≠オてあるのでクルックシャンクスがケージにアタックしても、蛙の面に小便だろう。ケージを開けるには倉庫≠ノ入っている鍵を以て開ける以外の方法はなかったりする。
……故にクルックシャンクスが誰かさん≠ノ唆されていようと、ケージの南京錠を開けるのはまず不可能なのだ。
クルックシャンクスの変調──スキャバーズを襲う様になったのはいきなりの事だったので、ハーマイオニーには悪いがクルックシャンクスに開心術≠使わせてもらった。
その結果判ったのは、クルックシャンクスが大きな黒い犬≠ニ幾度か接触している≠ニ云う事。
(……十中八九、ありゃあシリウス・ブラックだよなぁ)
そんな事を考えながら今日も今日とてクルックシャンクスとじゃれ合うのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
またもやアニーがクィディッチで活躍して──180対30と云う大差でハッフルパフ・チームを降した夜、グリフィンドール寮の談話室では盛大なパーティーが開かれた。
パーティーの中心である場所──フレッドとジョージが特に盛大にアニーを讃えている場所からいっそ三歩ほど引いたところでそのどんちゃん騒ぎをハーマイオニーとネビルと共に、時々拍手を送りながら見ていた。
……俺、ハーマイオニー、ネビルは先に──今日の訓練の時に祝ってある。もちろんの事ながら前に行われたスリザリン戦でも一緒だ。
そしてパーティーの熱もほどほどに冷め、皆ちらほらとベッドに上がっていき自然と騒ぎも収束していったので俺達もそこそこのところでベッドに上がった。
ベッドに転がりながらまだ残っていたパーティーの熱を冷ます様に考えを巡らすのはシリウス・ブラックについて>氛氓ナはなくネビルについて≠ナある。
(……そういやネビルが合言葉のメモを落としてたなぁ…)
何日か前、カドガン卿の前でうちひしがれていたネビルを思い出す。
現在暫定的にグリフィンドールの寮への入り口
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