暁 〜小説投稿サイト〜
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
190 とんだクィディッチデビュー戦
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ものなのでしょうか?」

「む」「む」

アニーからの言葉はまさしく天啓で、ルーピン先生は──ついでに、ルーピン先生を丸め込もうとやっきになるあまり、そんな至極単純な事すら忘れていた俺は思わず息を呑む。

……しかしシリウス・ブラックはここはおろか、ホグワーツにも居ない。その上、数多もの吸魂鬼(ディメンター)からも逃げおおせている指名手配犯だ。……それでも、少なくとも後一回はシリウス・ブラックがホグワーツへと侵入する事を知っていた俺は…

(……いけるか? ……いけるな)

「確かに、アニーの言う通りだ──けどシリウスは指名手配犯だ。こんな所におめおめとやって来るはずがないだろう」

「……それなんですけど、俺に考えがあります」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

―暴れ柳≠フ近くにグリフィンドールの寮に入る為のメモをうっかり≠ニ落としてしまったら、それはもう大変な事になりますよね?―

要はグリフィンドールの誰かに泥を被ってもらおう≠ニ云うのが俺のアイデアであったが、ルーピン先生は判りやすく渋面をつくっていたが、(やが)て俺の提案を呑んだ。

……その後部屋を出る際にルーピン先生にシリウス・ブラックを迎えに行ってもらったら…≠ニ云う案がアニーから出るも、ルーピン先生は教師職で忙しい身なので却下しておいた。

閑話休題(はなしはもどる)

クディッチはクワッフル≠ニ云うボールと、ブラッジャー≠ニ云うボールを互いのゴールに入れ合い、点を重ねるバスケやサッカーに近いゲームで、終了の合図はどちらかのチームのシーカーが金のスニッチ≠手にした時である。

金のスニッチ≠手にしたチームはその時点で150点も加点されるので、その時点でスニッチを入手したチームの勝利がほぼ確定する。

……だから、クディッチではたびたびこういう事≠ェ起こり得る。

――『先制点はスリザリン! グリフィンドールにも頑張ってほしいものです。……おっとポッター選手の動きが──ポッター選手、どうやらスニッチを見つけた模様! ……ポッター選手速い速い! マルフォイ選手、ポッター選手を追うも追い付けない! もうスニッチはポッター選手の目前! ポッター選手、スニッチに手を伸ばす──取ったぁぁぁあっ!! グリフィンドール、スリザリンに140点もの大差で勝利しました! なんと開始のホイッスルより僅か10分の出来事でした!』

マダム・フーチにより開戦のホイッスルが鳴らされた──のは良かったが、終戦のホイッスルはその約10分後に鳴らされる。前例が少ない試合内容なので、グリフィンドール生の喜び様は一入(ひとしお)だった。

その時、そんな喝采に水を差すやつらが現れる。
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