【ハリー・ポッター】編
184 吸魂鬼(ディメンター)
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フォイ達がコンパートメントから消えて幾ばくかして、ハーマイオニーとアニーが杖腕を元に戻しながら俺を慮る様に俺に訊ねてきたので、俺は混じりけの無い真意を二人に明かす。
「それより、シリウス・ブラックについて≠フ話だろう?」
「それもそうだね──でもどこまで話したんだっけ」
「アニーが話したのはシリウス・ブラックが脱獄したところまでだよ」
マルフォイの闖入で話がすっかり消えかかっていたが、元の話に戻す為にアニーへそう言葉を向ける。アニーはマルフォイの登場で寄せられていた眉を戻しては話し始めた。
………。
……。
…。
(……もう直ぐやつら≠ェ来るか…)
アニーの話した内容はやっぱりシリウス・ブラックが脱獄した理由≠ノついての事だった。そしてそれからローブに着替えたりと何時間も経過していて、もう列車の外は真っ暗だった。
ちょうどその時は三人の間には語り種も尽きていて、頭の隅っこでやつら>氛吸魂鬼について考えていた時、不意にそれは起こった。
「へぁっ!?」
「きゃっ!? 何よ!?」
ホグワーツ特急≠フ急ブレーキ──プラスアルファで停電。外ももう暗かったのでコンパートメント内も真っ暗である。
(……来るか…?)
「……取り敢えず俺が灯り≠ノなろうか──“光よ(ルーモス)”」
「ありがとう、ロン。……でも何があったのかしら?」
「フレッドとジョージが何かやらかしたとボクは見るよ」
明かりを点けてやれば、急ブレーキの影響でシートから滑り落ちていたハーマイオニーとアニーはシートに座り直す。軽口が聞こえる辺り、そこまで取り乱してはいないのが判る。
……ついでに列車の周りを囲み始めている、とてつもなく穢れた>氛氓サうとしか表現しようがない気配を持つ生物にもだ。
(……これは…っ。……バジリスクよりは辛うじて安全だから今年は気配察知≠止めておくか…)
吸魂鬼の放つあまりにもあんまりな気配に、吸魂鬼に出逢う前からそう決意して早速──もはや自動でやっていた気配察知≠やめたら、気分が大分楽になった。
バジリスクなら時々──それも一体だったので我慢出来た。しかし吸魂鬼は駄目だった。……常時ゴキブリに身体中を這い回られているような気分だったと云えば、俺の決断も理解を得られるだろう。
……もちろん【ホグワーツ魔法魔術学校】の敷地内に入って来ないと云うのが前提だがダンブルドア校長が吸魂鬼を敷地内入れる事を善しとしないだろうと云う、打算もある。
(来た…っ)
僅かに空いて
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