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風魔の小次郎 風魔血風録
120部分:第十一話 武蔵の力その五
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いていた。
「壊れていたのが。急によくなるなんて」
「そうね。本当に不思議だわ」
 何故時計がそうなったのかは二人にはわからなかった。それはこの世で一人だけがわかっていることであった。そう、一人だけがであった。
 既に料理勝負ははじまっていた。試合場には兜丸と麗羅がいて勝負の行方を見守っている。キッチンでは小柄な女の子がせっせとお菓子を作っていた。
「洋菓子みたいですね」
「タルトだな」
 兜丸は料理を見守りながら麗羅に答えている。姫子と蘭子もいて試合を見守っている。だが夜叉の面々の姿は見えてはいなかった。
「それも抹茶タルトか。いいな」
「兜丸さんってお抹茶好きなんですね」
「甘いものは何でもだな」
 自分でもそれは否定しない兜丸だった。
「だから薩摩芋だってな」
「小次郎君の切ったあれもですね」
「ああ。まああいつは料理は駄目だがな」
 それはすぐにわかることだった。実は小次郎はそういったことはからっきし駄目な男なのだ。

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