第百六話 光の魔法その八
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「好きなんだよ」
「そうでござるか」
「あの弾力が好きでね」
投げて思いきり跳ね返る、野球でバットの芯に入れる工作がある。メジャーでやっていた人がいて問題になった。
「色合いも」
「キラキラとしていてでござるな」
「そうなんだ」
そちらもだ。
「好きなんだ」
「そうでござるか」
「うん、それはね」
本当にだった。
「魅力的だよ」
「そういえばでござる」
「そういえば?」
「拙者もスーパーボールについてはでござる」
まさにというのだった。
「興味深いものでござる」
「あの弾力が」
「何かに使えると思ったりするでござる」
「忍術にも」
「そうも思うでござる」
「そうだね、言われてみれば」
スーパーボールもだ、使えそうだと思った。
「いけるかもね」
「そうでござるな」
「うん、確かにね」
こうしたことを話してだ、それから。
僕達はプールをさらに見回っているとだ、放送が入った。もうすぐ十時になりプールが閉まるという放送だった。
その放送を聞いてだ、僕達はプールを出ることにした。するとだった。
日菜子さんはイルミネーションを見つつだ、こんなことを言った。
「もう一杯行く?」
「えっ、本気ですか」
僕は日菜子さんに思わず問い返した。
「もう一杯って」
「うん、どうかしら」
「晩御飯の時にワイン二本開けて」
「それから三人で飲んでたわ」
このことをここでも話した。
「ジューン、水蓮とね」
「ウイスキーか何かをですね」
「一本開けたわ」
「それでまた、ですか」
「そう思ったけれど」
「いや、それは」
僕は日菜子さんに難しい顔で話した。
「どうにも」
「そう言うのね」
「賛成出来ないです」
こう答えた。
「飲み過ぎですよ」
「あっ、やっぱり」
「はい、どうにも」
本当にこう思った。
「そこまで飲みますと明日の朝大変ですよ」
「明らかに二日酔いね」
「死んでますよ」
二日酔いが酷過ぎてだ。
「本当に止めた方がいいです」
「やっぱりそうなのね」
「僕にしても」
もっと言えばチェチーリアさんとマルヤムさんもだ。
「ワイン三本空けてますし」
「それも結構ね」
「しかもウイスキーとかですよね、日菜子さんは」
「そう、蒸留酒を飲んでたわ」
それでボトルを一本だというのだ。
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