美保鎮守府NOW-Side B- PART6
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る。つまりは貴様が土足で踏み込む権利は無いという事だ」
その瞬間、愚かな髭親父は自分が墓穴を掘った事を確信した。未だ正式に更迭が発表される前に先走った行動、それこそ自分がクーデター派の人間だと大声で喧伝して歩いているような物だ。その上最悪なのは制圧しなくてはならない鎮守府の艦娘達にそれをバラしてしまった事……その上、彼女達はそれを最大限利用出来る程度には有能だった事だ。
「これは……決まりですね」
「えぇ、そうね。発令してしまいましょう」
その瞬間、鎮守府内にサイレンが鳴り響いた。
『鎮守府に所属する全艦娘に告げます。提督が害される可能性が高い事案が発生、危機管理マニュアルに則り鎮守府内に第一種戦闘配置を発令します!』
大淀は全館に放送で流すと、提督に渡されていた緊急連絡先に電話を始める。しかしその顔は徐々に青褪めて来ており、どこに電話しているのやらと加賀は眉を顰めた。
「まぁ、どこに連絡していようが私のする事は変わりませんが」
そう呟いて自らの傍らに置いてあった長いボストンバッグの包みを解く。中から姿を現したのは1丁の狙撃銃。その名は【SPR Mk12 Mod 0】……ゴルゴ13も愛用するアサルトライフルM16を、狙撃方面に改良した特殊目的ライフル。加賀は弓の陸上での取り回しのしにくさに限界を感じ、狙撃の腕を磨いていた。その腕は鎮守府でも一、二を争い提督ですら驚く程だった。そこに目を付けたのが悪ノリ大好き明石工房。提督が色々と手を回して手に入れていた銃器の中から1丁をくすねて、魔改造を施したのだ。それをこっそりと加賀に譲渡していた。
「さて、鎮守府を護る為です。手を出すならば死んでもらいましょう」
手早くSPRを組み立てると、加賀は窓際に張り付いた。窓を僅かに開け、銃口を屋外に出す。胸の谷間に挟んで隠しておいた『お守り』を取り出して1本くわえて火を点ける。ふわり、と漂ってきた提督と同じ銘柄の煙草の香りが彼女の集中力を高めていく。じりじりとヒリつくような焦りを感じつつも、加賀は不動。動くのは相手が動いてから……あくまでも正当防衛であると主張し、こちらの被る不利益を最小限にする為だ。撃たなくて済むかもしれない。しかし、撃てる準備をしないのは許されない。いや、自分でそれを赦さない。それが提督から代行としての責を預かった覚悟だった。
その頃、鎮守府の正門前では未だに舌戦が繰り広げられていた。
「えぇい!貴様らもクーデターを企てた反乱分子だと捕らえられたいのか!?そこを退かんと実力行使に移るぞ!」
大和と武蔵に墓穴を掘らされまくった髭親父は、顔を真っ赤にして怒鳴り散らしている。正にクーデターの真っ最中の人間がクーデターを企てている(という言い掛かりをつけた)者を捕
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