二話 隻腕の騎士と剣聖
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
笑顔でいるような……。
「それで、シロウは何処からやって来たんだだい?」
***************************************************************
「ほぉ、それは興味深いね」
「いや、当の本人からすれば訳分からないからね」
「シロウは困ってるから助けないとなんだけど……何処から来たのか、本人すら分かってないから」
「ちょっと……うん、まぁ、そうなんだけど」
「気付けばこのルグニカに、そしてシロウの住んでいたニホンという国か……とても興味深いよ」
「どうやったら帰れるかなぁ」
「転移の魔法で飛ばされた可能性は否めないが、シロウの国では魔法の知識は疎いらしいし」
「いや、似たようなものはあるんだ。でも、そんな器用な事は出来ない……と思う」
「ふむ、これは困ったね。
力になれなくて済まない……」
「いや、これは俺の問題だ。
それなのに心配してくれてありがとな」
「僕に出来ることならなんでも言ってくれ」
「あぁ、ありがと」
さて、どうしたものか。
すること無ければやる事なし。
寝床も無ければ食料……はあった。
すっかり忘れてた、士郎は肩に掛けていた買物袋を手に取る。
「ん、それはなに?」
「買物袋、買物帰りだったからさ」
「ほぉ……初めて見るものばかりだ」
「知ってるものはあるか?」
「一つ、それはリンガだね」
リンガ?なにそれ?
リンガ……りんが……りんご?
「もしかしてリンゴの事か?」
「リンゴ……初めて聞く名前だね。
君の祖国ではリンガの事をリンガと言うんだね」
「あぁ、そのリンガってのは初耳だ。てか、もしかしたらそのリンガってのはリンゴとは別物なんじゃないのか?」
ふむ、こちらのリンゴ。
いや、リンガを食ったことのないから解らないけど見た目が同じなら味も似ているだろうと考え。
「数は三つあるし、二人とも食ってみる?」
二つのリンゴを両手で持ち差し出す。
「うん、頂くよ」
「私も、」
そう言ってラインハルトとエミリアはリンゴを受け取った。
そしてなんの躊躇もなく一口。
数回噛んで感想はいかに。
「味もリンガだね、食感もそうだ」
「そうね、でも。いつも食べてるリンガと比べると少し堅いかも」
どうやらこの世界のリンガはリンゴのようだ。
どうでもいい謎を一つ解明した。
この世界ではリンゴの事をリンガと呼ぶ。
よし、この調子でリンガの名前をリンゴに改名してやろう。
「それにしても、シロウは悠長だね」
「ん?」
いきなり何を言い出すんだ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ