二話 隻腕の騎士と剣聖
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を終えてから、味わうことの無かった高揚感を胸の奥からひしひしと感じる。
あの退屈な日常では味わえなかった緊張感が、ここでは感じ取れる。
不思議と笑顔になった。
────あぁ、あの物捕りの言ってた事がようやく解った。
そうか、俺は『笑ってるんだ』
エミリアに連れられ、色んな所を見てきた。
この王国の事、魔法や亜人の存在。
ここでは俺の世界の常識は通用しない。故に、ここでは俺の世界の非常識が通用すると確信した。
だから、俺はこんなにも楽しいのだろう。自然と笑顔が込み上げてくるほど嬉しいのだろう。
「ん、あれって……」
突然、エミリアの足が止まった。
エミリアの視線の先、そこには────。
「おや、エミリア様」
「ラインハルト、久しぶりね」
「えぇ、お久しぶりですエミリア様……そちらの方は?」
「この人はシロウ、エミヤ シロウ……えっと説明するとちょっおーっと長いんだけどね」
「ほぉ、宜しければお聞かせください。もし、お困り事なら私の出来る限りで協力、致します」
「そんな、ラインハルト。
『剣聖』の貴方に助けてもらうほどのことなんて」
「構いません。それがエミリア様、エミヤ君の助けとなるなら」
などとイケメン面で、言ってることも、行動も、立ち振る舞いもイケメンな彼は衛宮 士郎に手を差し出す。
どうやら握手を求められているようだ。
握手を求められてるなら、それを返すのは人間として当然で。俺は右手を差し出し、差し出された手に握手した。
「あぁ、そう言えば名乗ってなかったね。僕の名前はラインハルト・ヴァン・アストレア。宜しくね、エミヤ シロウ」
「宜しく、」
「ホント、凄いね、シロウは。
誰とでも仲良くなれるんだね」
「いや、この場合はあちらからのスキンシップがあった訳で」
「スキンシップ……?」
「なんて説明すればいいかな。
仲良くなる為の努力? なんか違う気がするけど。まぁ、そういう事だ」
「見たところ、見慣れない服装だね。エミヤ君は何処から来たんだい?」
「エミヤ、またはシロウでいい。
いや、シロウって呼んでくれ」
エミヤ、と呼ばれるのはアイツとして呼ばれる気がしてあまり好きではない。昔から呼ばれてるならいいけど初対面の奴にエミヤ、エミヤ君って呼ばれるのは苦手だ。
「ふむ、いきなり下の名前を。
先ほどエミリアが言っていた誰とでも仲良くなれる素質を持っているんだね」
「いや、そんな才能持ってないから」
「いや、自分の才能というのは自分では気付かないものだ。それが何であり、それは才能と呼べるものだと僕は思うよ」
笑顔で、ラインハルトは笑顔で言った。
その笑顔は何処か悲しげで、その笑顔はそれを隠すためにわざと
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