共闘
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真似で首に突きを喰らわせ、コボルトロードへの道が再び開かれた。
「もういっちょ!」
視界の端で転倒した《センチネル》がリズとクラインにタコ殴りにあっているのを見ながら、コボルトロードが他のプレイヤーたちと戦っているのを確認する。どうやら俺たちが《センチネル》と戦っている間に、コボルトロードへ迂回して戦いに向かったようで、先の援護射撃の感動を返せ――などと考えていると、コボルトロードが大斧をこちらに投げつけてきた。
「ひゃっ!?」
「シリカ!?」
「だ……大丈夫です」
飛来した大斧に巻き込まれてしまったようだが、深刻なダメージではないようで胸をなで下ろす。そして疾走しながらも再びコボルトロードに視線を戻すと、大斧を捨てたコボルトロードが、腰に帯びていた刀の柄に手をかけていたところだった。
「あ……だめだ……下がれ! 全力で後ろに跳べ!!」
その動作が抜刀術を放つものだと気づくのと、キリトの発した警告が空間に響き渡るのは同時だった。大斧を捨ててからの抜刀術の一撃は、近づいているプレイヤーを全て蹴散らすだけの威力を込めているに違いなかった。
「ショウキくん! 足を狙って!」
――だが俺の耳には、それと同時にある指示が届いていた。疾走とともに斬撃をコボルトロードの足に喰らわせながら走り抜け、今度こそ放たれた抜刀術の軌道をわずかながらにズラす。そのわずかにも程がある程度のズレは、キリトの警告に従って避けたプレイヤーたちには圧倒的なズレとなり、コボルトロードの抜刀術はただ空を斬った。
「はぁぁぁぁ!」
そして、その隙を見逃すことはなく、アスナの一撃がコボルトロードに炸裂する。その一撃はコボルトロードをポリゴン片とするのに相応しい一撃であり、クリアとともに周囲の風景が現実のものに戻っていく。
「……ふぅ」
『おめでと〜!』
ボスの撃破とともにユナのライブも終わり、周囲に浮かんでいるマスコットと一緒に、こちらに声援と手を振っている。本当にボス戦は終わったようだと、息を吐くとともに日本刀《銀ノ月》を鞘にしまうと、手に持っていた《オーグマー》の端末に戻る。
「いやぁ、警告ありがとうよ」
「おかげでポイント減らさずに済んだしさぁ」
「あ、いや、俺は……」
先程の「全力で後ろに跳べ」という指示に助けられたらしいプレイヤーが、キリトを囲んでお礼を言っていた。ラストアタックを決めたアスナも同様のようで、ご愁傷様と思うのと同時に、俺も助けてやったんだぞ――と思わないでもなく。
「ナイスファイト、ショウキ」
「ああ……ん?」
そんな心が狭いことを考えていることを、全てお見通しだとばかりに肩を叩いてきた彼女に、どうかバレていませんように――と、恐
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