共闘
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「クラインうるさい!」
『それじゃミュージック! あーんど、ゲームスタート!』
そしてライトアップされるユナとともに、《オーディナル・スケール》の宣伝に使われている歌が流れ出していく。しかも応援という言葉は偽りではないようで、ただの歌という訳ではなく、どうやらこちらのステータスにボーナスが加算される代物のようだ。
「ボーナス付きか……」
「来るわよ、ショウキ!」
流れ出すユナのライブとともに、新たなモノがこの世界に生成され……もちろん生成されるのは、俺たちの武器や防具だけではなく。その武具で倒すべき宿命の獣たちもまた、この世界を侵食するように現れていく。
「あいつは……」
この世界に現れた産声のように声をあげるのは、猪と鬼をない交ぜにしたような、俗にコボルトと呼ばれる二足歩行のモンスター。雑魚敵などと称されることもあるが、俺たちの前に現れたその個体は、鎧に全身を覆いこちらを踏み潰せるほどの巨躯を誇っていた。その威圧感は雑魚敵などと口が裂けても言えず、本能が警鐘を鳴らし冷や汗が自然と流れていくほどだった。
ただ――
「……《イルファング・ザ・コボルトロード》!?」
――キリトとアスナが発した叫びに反応するように、さらに三体の鎧を着たコボルトが出現する。先の個体より格は低いようで、《ルインコボルト・センチネル》と称されるそれらを見て、俺たち他のメンバーも敵のことを思い出した。
「あいつって確か……」
「ああ……SAOの、第一層ボスモンスターだ!」
当時のボス攻略戦に参加していたのはキリトとアスナのみだが、俺たちも攻略後に配布された情報でその存在は知っていた。あの浮遊城で最も早くプレイヤーたちに襲いかかったボス――《イルファング・ザ・コボルトロード》が、あの浮遊城と寸分違わない外見で立っていた。
「ボスのデータを流用したってことでしょうか……?」
「さあな……」
「……オイ」
他のプレイヤーたちに襲いかかっていく《イルファング・ザ・コボルトロード》を見て、神妙な面持ちでキリトは片手剣となった端末を握り締めていた。コボルトロードの咆哮を聞いていると、クラインが後ろから小さく語りかけてきた。
「あんまキリトやアスナに関わらせねぇで、さっさと倒してやんぞ」
「……よし」
「そうね……先にいくわよ!」
クラインにリズと小さく短いながら相談を終え、それぞれの武器を構えてコボルトロードに向けて走りだしていく。そんな俺たちに気づいたのか、コボルトロードの臣下たるセンチネルが立ちはだかった。
「邪魔ぁ!」
全身を刃も通さないほどの堅牢な鎧に覆われたセンチネルだが、鎧の上から直接的に打撃を加えられた結果、何処かへ吹き飛ばされて洞穴の壁に炸裂す
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ