共闘
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日はグウェンと遊ぶ予定があると、ルクスは課題の提出を後日にしていたが、何か手伝ってやろうと決意する。
「……ん?」
誰しもが少なからず疲労を感じながらも駅に向かって歩いていると、交差点で止まっていたバンからごくごく控え目なクラクションが発せられた。よくよく見てみればその見覚えのあるバンから、ことさら見覚えのある顔が顔を出していた。
「よっ、学生諸君。ご苦労様!」
「クラインさん?」
「どうしたんだ?」
バンの窓から顔を出すその見慣れた野武士顔に、それぞれが歩みを止めてバンを囲む。割と大きい車だというのに、乗っているのは運転手のクラインのみだ。こちらにヘラヘラと笑いながら手を振る様子に、何か用かと問いかける。
「キリの字からまだ学校だって聞いてよ。実はこれからオーディナル・スケールのイベントがある……って噂があるらしいんだが、ちょっと行ってみねぇか?」
「《風林火山》の人たちは一緒じゃないんですか?」
「アスナさんよー。真偽不明の噂にメンバー連れてけねって、ギルマスとしてはよ。分かるだろ?」
「ちょっと。あたしたちはいいわけ?」
時刻は既に8時を回っており、イベントがあるにしては随分と遅い時間だった。ただ高難易度イベントともなればランクも上がるだろうと、リズがクラインに突っかかっている隙に、ギルド指揮官経験者として苦笑いしているアスナと目と目があった。
「ま、真だろうが偽だろうが、レディーにゃ送迎サービスぐらいするぜ?」
「ボディーガードの席はあるんだろうな?」
「あらショウキ、やっぱりやる気満々じゃない」
皮肉に皮肉で返しながらも、駐車している中型バンに真っ先に乗り込んでいく。それからリズも勢いよくこちらの隣に座り込むと、しっかりとアスナも乗り込んでいた。
「うーん……遅くなっちゃいそうですし……キリトさんはどうします?」
「いや、俺は……」
『何言ってるんですか、パパ!』
残りは悩んでいるシリカに消極的なキリトだったが、キリトの目の前にどこで話を聞いていたのか、突如としてユイが光とともに降ってきた。そのままキリトの態度に業を煮やしたかのように、目の前で指を突きつけた。
『ママはメキメキと力を上げてるんですよ? このままじゃ、夫婦の危機です!』
「分かった、分かったよ!」
「……本当によく出来た娘ね……」
リズの小さい呟きに心の底から同意しておきながら、説得に根負けしたキリトが助手席に乗り込むのを見た。みんなが行くなら――ということでシリカも乗り込むと、結局バンは全員を収容して夜の町を走り出していく。
「クラインさん。イベントってどういう噂なんですか?」
「9時にレイドイベントだとか話が出てるんだが
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