共闘
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られたため、というのは本人に内緒のアスナの弁だ。
「……飲み物買ってくるか。ついでに何がいい?」
「コーヒーお願い」
「オレンジジュースがいいです」
「コーラ」
「私も、一緒に行こうかな」
机の上に置いてあった飲み物がないことに気づいて椅子を立つと、口々に発せられるリクエストと、一緒に立ったアスナの姿があった。言っておいて財布の中身は大丈夫だったか、と脳内で確認していると、シリカが立ち上がった二人を見てふと呟いた。
「ショウキさんとアスナさんって、なんだか珍しい組み合わせですね」
「言われてみれば……そうだね。それじゃあショウキくん、よろしくね」
「飲み物の買い出しぐらいによろしくも何も」
ふと髪の毛をクシャクシャと掻きながら、アスナとともに部屋を出て行った。改めていざ問いかけられてみれば、シリカの言う通りに俺とアスナという組み合わせは割と珍しい。あの浮遊城の頃から今に至るまで、友人の友人と言った間柄のままだった。
「ねえ、ショウキくん。ちょっと変なこと聞くようなんだけど」
「内容によるよ」
とはいえ会話もしないわけではない。隣を歩くアスナから、らしくない問いかけが放たれたかと思えば。
「ショウキくんが《オーディナル・スケール》に熱中してるのって、リズの為だったりするの?」
「――――」
その問いかけは真実を捉えていた。《オーグマー》ないし《オーディナル・スケール》人気の一因として、そのランキング制というシステムがあった。全てのプレイヤーは稼いだポイントによってランク分けされ、上位のランクによって様々な恩恵を得ることになる。今の自分のランキングでは、牛丼屋の大盛無料という助かるような助からないような物だけだったが、さらに上位になれば――
「やっぱり。そろそろ誕生日だもんね、リズ」
こちらは何も答えていないにもかかわらず、全てを察したかのようにアスナはクスクスと笑う。実際理由まで全てお見通しともなれば、もはや何の弁解も無意味だと察すると、羞恥に笑顔のアスナを直視できずに目を逸らすのみしか出来なかった。
「もう、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃない。実は、私もなの」
「私も? ……キリトにか?」
「うん」
私も――ということは、アスナも誰かに《オーディナル・スケール》を利用した贈り物を考えている、というわけで。アスナが贈り物をする相手と言えば、というこちらからの問いかけには、当然のように答えが返ってきた。
「でもよくわからなくて……出来れば、キリトくんが好きそうなもの、教えて欲しいの」
もちろん交換条件として、リズの好きなものを教えるからさ――と、アスナの言葉は続けられた。その申し出を断る理由などなく、
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